「彦坂家の代表」は? 

ラグビー日本代表の大分・別府合宿に参加中のフッカー彦坂圭克(よしかつ、30)が7日、双子の兄である匡克(まさかつ、30=ともにトヨタ自動車)の活躍を刺激に変えた。

7人制の16年リオデジャネイロ五輪代表の兄は、前日6日に発表された東京五輪に向けた7人制第4次オリンピックスコッド16人に選出されている。国際経験豊富な兄に対して「『彦坂家の代表』として頑張ってほしいです」とエールを送りつつ「マサに負けないように、僕もアピールしていきたい。マサが7人制に選ばれているのは刺激になりますし、僕は15人制で選ばれたい」と力を込めた。

今回の15人制日本代表合宿は、23年W杯フランス大会に向けた第1歩。圭克は同じフッカーの中村駿太(サントリー)が負傷で離脱したため、追加招集で1日に合流した。代表キャップは0。すでに活動を始めていた日本代表への順応に苦労しながらも「練習から積極的なプレーをしたい。僕のいいところはフィールドプレー。チームにコミットしたディフェンス、アタックをしたい」と強い志を持っている。

ラグビー界で有名な「彦坂ツインズ」は、ともに愛知・春日丘高(現中部大春日丘)の出身。トヨタ自動車でチームメートの19年W杯日本代表NO8姫野和樹(26)の先輩にあたり、2人そろって筑波大に進学した。4年時の全国大学選手権では圭克がフッカー、兄の匡克がWTBとして準優勝に貢献し、下級生にはW杯日本代表WTB福岡堅樹(28)がいた。きょうだいで13年にトヨタ自動車へ入団すると、圭克は今季のトップリーグ4強に大きく貢献。その先に15人制日本代表のチャンスが待っていた。

日本代表は特別再編成された「サンウルブズ」と12日に強化試合(静岡・エコパスタジアム)を行い、そこから欧州遠征に向かう。「彦坂家の代表」を譲るだけでなく、弟もジャパンで存在感を示す。【松本航】