日本代表最多98キャップを獲得し、20年に現役引退した大野均氏(43)の最多キャップ記念セレモニーが試合前に行われた。

大野氏はスーツ姿で登場し、日本協会の森重隆会長から花束を受け取った。ファンは新型コロナウイルスの影響で発声を自粛し、応援ボードをハリセンとして鳴らしてねぎらった。

福島・郡山市出身で、日大工学部からラグビーを始めた大野氏。01年に東芝に入団し、04年に日本代表初キャップをつかんだ。

「日本代表として13年間プレーし、98試合のテストマッチに、桜のジャージーで出場できたことを、心から誇りに思っています」

07年、11年W杯は未勝利に終わり、世界を相手に苦しんだ時代も知る。南アフリカを相手に歴史的勝利を挙げた15年イングランド大会まで、W杯3大会連続代表に名を連ね「本当に欲しかった、W杯の勝利を手にすることができました」と懐かしんだ。

日本代表はこの試合から、23年W杯フランス大会への本格的な歩みをスタートさせる。大野氏は「日本代表として、さまざまな経験をし、多くの感情を感じ得たことは、私の人生で大きな財産になりました。日本代表は今、世界の強豪と肩を並べる、素晴らしいチームに成長してくれました。今後も一ファンとして、彼らの活躍から、勇気をもらえることを楽しみにしています」とエールを送った。【松本航】