来年2月の北京五輪に向けたカーリング女子日本代表決定戦は11日、稚内市みどりスポーツパークで第2日が行われ、前日の初戦を制した北海道銀行が第2戦で、18年平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレに8-7で逆転勝ちして王手をかけたが、続く第3戦はロコ・ソラーレが9-3で大勝した。3戦先勝方式で行われる大会は北海道銀行が2勝1敗とリードして12日の最終日を迎え、第4試合は午前10時、第5試合は午後6時開始予定。勝者は北京五輪世界最終予選(12月、オランダ)へと進む。

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前日に続く黒星を喫してから、約2時間後の第3戦。連敗スタートで追い込まれたロコ・ソラーレが吹っ切れた。

第1エンド(E)で幸先よく2点を挙げると、その後は不利とされる先攻で3連続スチールに成功。序盤から相手を圧倒し、スキップの藤沢は「朝の試合の後にみんなで話し合い、『やるっきゃない』と気持ちを切り替えた。思い切ってやれた」と笑顔を見せた。

1つのプレーごとに感情がはじけた。好ショットが決まればガッツポーズ。第2Eでは、両チームの5投目まではガードストーンをはじき出せないルールを勘違いするシーンもあったが、そんなミスも全員で笑い飛ばした。好ショットでカバーし、2点スチールを奪って流れを引き寄せた。

この大会に向け、3戦先勝方式での練習試合を重ねてきた。相手チームの協力を得て、試合開始時刻も本番に合わせた。第2試合が終わった直後に吉田知は「練習でも連敗スタートばかりだった」と明かし、「私たちの頭はスポンジ。試合の中で強くなっていくスタイル」と独特の表現を用いながら、明るい表情で巻き返しを誓っていた。

負けられない状況は続くが悲壮感はない。藤沢は、「最後まで楽しみたい。これがロコ・ソラーレだという根性を出したい」。崖っぷちからの3連勝で、代表の座をつかみ取る。

【奥岡幹浩】