6季ぶり優勝を目指す同大が計11トライの猛攻で白星発進した。今季から勝ち点制が導入される中、関大を75-8で圧倒。4トライ以上で得られるボーナス点も獲得した。そろってU20(20歳以下)日本代表歴を持つWTB和田悠一郎が3本、FB山口楓斗、SH田村魁世が2本ずつトライを挙げ、自慢の4年生トリオが存在感を示した。全国2連覇、関西6連覇が懸かる天理大の“1強”阻止へ、名門が力強く歩み始めた。

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台風一過の晴天が、同大自慢のBKを引き立てた。前半6分、自陣ゴール前からFB山口が約95メートルを走りきって先制トライ。FWは力強く前へと進み、同25、33分にはSH田村がその隙を突いた。後半は広く空いたスペースを生かして、WTB和田が2トライ。昨季開幕戦で33-31と辛勝した関大を圧倒した。かじ取り役を担った田村は「硬くなるプレーもあったけれど、同志社の強みを生かせた」とBK陣の機能を喜んだ。

悔しさを糧にしてきた。3人は2年時にU20日本代表として、ブラジルで開かれた国際大会に出場。同大でも定位置をつかんだが、その2年時だった19年には天理大に6-55と完敗を経験した。昨季は関西2位で出場権を得た全国大学選手権を、新型コロナウイルスのクラスターで辞退。天理大が関西勢36大会ぶりの頂点に立つ姿を目に焼き付けた。

迎えた勝負の最終学年。7月の春季トーナメント決勝で天理大に勝利も、夏の北海道合宿はコロナ禍で中止。田村は水をためた容器をボール代わりに投げ、難しい体勢からもパスできる体幹を鍛えた。「下級生から一緒に出ている楓斗、和田の決定力が強み。その選手をうまく生かしたい」。王座奪還へ、おごることなく強くなる。【松本航】

 

〇…関大は伝統の防御が機能しなかった。前半から再三の突破を許し、後半も最初のプレーでトライを献上。プロップ龍田主将は「スクラム、モールでは自分たちのやりたいことができたけれど、いいプレーの後に流れに乗れなかった」と肩を落とした。コロナ禍で練習は人数制限を強いられる。厳しい戦いが続くが「課題を糧にして、目標の大学選手権出場を目指したい」と上位3チーム入りを狙う。