あごまで痛い…。体操男子でオリンピック(五輪)個人総合2連覇の内村航平(32=ジョイカル)が22日、東京五輪後の試合となる全日本シニア選手権(酒田市国体記念体育館)の前日会見に出席。「なかなか体がついてこない。全関節痛い。しまいにはあごも痛くなって、ハンバーガー食えない。口開けると外れちゃうみたいな」と肩をすくめた。

鉄棒に専念した東京五輪。両肩痛の影響から種目を絞って種目別の頂点を狙ったが、まさかの予選落ちに終わった。勝負の舞台へ、定期的な治療などをずらしていた影響か、反動が出た。「股関節が痛くなり、肩もそう、腰もそう」。そしてあごへ。「歯を食いしばれないから、力が伝わらないのもあったと思う」と調整は万全に遠い。

「50%」。現在の出来を隠さない。ただ、五輪での構成を落とす気はない。大技「ブレトシュナイダー」も組み込み、「ギリギリできるんじゃないか」と豊富な経験が予想させる。来月には生まれた北九州市で開催される世界選手権が控える。「五輪は無観客だったので、難しい時期ですけど、有観客でやっていただけることに感謝して、良い演技をみせる。それ以上の何かを伝えたい」。痛みは、その思いまではむしばめない。【阿部健吾】