早大が慶大との98度目の対戦を制し、3年ぶりの優勝へ望みをつないだ。定期戦の通算成績は71勝7分け20敗。今季5勝1敗の勝ち点24とし、6戦全勝で同27点の首位帝京大とは3点差となった。

最終節は帝京大が12月4日に慶大、早大は同5日に5勝1敗で勝ち点26の明大と対戦(ともに秩父宮)する。CTB長田智希主将(4年=東海大仰星)は「とにかく勝てたのは良かった。自分たちの強みはアタック。いくつかいい場面があった。この試合の課題を修正して、次に臨みたい」と振り返った。

速く、鋭く、早大が相手の防御ラインを切り裂いた。前半6分、長田が縦に突破すると、その流れからNO8佐藤健次(1年=桐蔭学園)が先制トライ。同17分にはFB河瀬諒介(4年=東海大仰星)が大きく前進し、フランカー相良昌彦(3年=早実)のトライにつなげた。主導権を握ると、前半終了間際にはラインアウトからモールを押し込んでトライ。FW、BKが一体となって攻撃し、35-5で折り返した。

後半は苦しんだ。相手のラインアウトからのモール攻撃に手を焼き、2トライを献上。それでも25分のモールを自陣インゴールで防ぐと、相手陣に侵入し、同31分にSH宮尾昌典(1年=京都成章)が勝負を決定付けるトライを挙げた。与えた5トライ中4トライはモール。課題を残しながらも、白星をたぐり寄せた。

3年ぶりの頂点は自力では届かない。12月4日の最終節で帝京大が慶大を破れば、その時点で優勝の可能性が消える。それでも翌5日には伝統の早明戦が待つ。最善の準備で重要な戦いに臨む。【松本航】