シニア1年目でショートプログラム(SP)首位のカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が、またしても世界を驚かせた。

フリー185・29点、合計272・71点を記録し、SPを含めて全てで世界歴代最高得点をマーク。圧倒的な力でGPシリーズ2連勝を飾り、12月に大阪で行われるファイナル進出を決めると「日本ですしを食べてみたいです」と笑った。

高まる注目、最終滑走の重圧…。その全てを堂々とはねのけた。ワリエワはフリー「ボレロ」の冒頭で4回転サルコーに成功。両手を上げたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、4回転-3回転の連続トーループ、演技後半には4回転トーループからの3連続ジャンプを成功させた。長い手足を存分に生かし、3つのスピン、ステップは全て最高のレベル4。ジャッジの1人は演技構成点でスケート技術など5項目中4項目で10点満点をつけるほど、表現面でも高評価を受けた。地元の大歓声に包まれ、笑顔で手を振ると、冷静な表情で世界歴代最高得点を受け止めた。

15歳、シニア1年目ながら、異次元の演技でGPファイナル進出を決めた。4季前の平昌五輪で金メダルをつかんだアリーナ・ザギトワのように、ロシアの若きスターが22年北京五輪金メダル争いの中心にいる。