関学大がRBの圧倒的な力を発揮し、34-24で立命大に勝利。6年連続55度目の甲子園ボウル出場を決めた。前半終了した時点で14点リードしていたが、後半に立命大の激しい反撃を受け、流れが傾きかけた時にRB前田公昭(4年)とRB斎藤陸(同)のTDで流れを引き戻した。

東日本代表校は法大に決まり、19日に「日本一」が決まる。関学大は4年連続32度目の学生日本一を目指す。

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「前田、斎藤劇場」だった。第1Q序盤でゴール前に攻め入ると、11月14日の立命大戦でも見せたQBを配置しないプレー「ワイルドキャット」が今回もさく裂した。QBの位置にRB斎藤が入り、前田にボールを渡すと、前田が鮮やかに走り先制TD。2人は喜びを分かち合うように抱き合った。オフェンスコーディネーターの案で関大戦前から練習を始めたプレー。斎藤は「このプレーは前田と4年間で築いてきたことが実ったものだと思います」と胸を張った。

斎藤は江戸川学園取手高時代の同期は8人。総勢20人程度で戦っていた零細チームだった。現在もチームは存続しているが人数は年々規模が小さくなっている。「そんなチームでもKG(関学大)に行って活躍できることを試合で見せたい」と言っていた。1本目は中央から自ら押し込んだ2ヤードTD。2本目は中央から左へ突破した17ヤードTDを決め、大舞台で力を発揮した。「関学大に入ってからの夢だった。ビッグプレーをしたいという夢を体現できてうれしい」と勝利をかみしめた。

先制TDを決めた前田は甲子園への思い入れが強い。前田が2年の時だった。けがでなかなか出場機会に恵まれなかった秋だったが、けがから復帰した甲子園ボウルに出場し、活躍した。「あの場所があったから今のチームの僕への信頼があります。自分の原点です」。その原点を自らの力でつかむために奮闘。18回のランプレーで、チーム1番の119ヤードを稼いだ。「ランを使ってもらえている期待に応えることができました」と振り返った。

次は学生日本一がかかる最後の試合。前田は「全国で2校しか出られない最高の舞台で暴れたい」。頼もしいRB勢が甲子園の地でもフィールドで暴れ回る。【三宅ひとみ】

◆関学大と法大の甲子園ボウル対戦成績 関学大は法大と過去7度対戦している。初めて対戦したのは72年で20-34で敗戦している。2度目の対戦は97年で21-21で両校優勝。コイントスの結果により法大がライスボウルに出場した。99年には関学大が52-13で初勝利した。通算対戦成績は3勝3敗1分と互角となっている。

○…ここまで大所帯を引っ張ってきた関学大DL青木主将は「DLが足を引っ張っていた」と課題を口にしていた。この3週間ディフェンス陣の集まりを早くすることを突き詰めて特訓。青木もロスタックルを見せた。今回の勝利に「1年間してきたことが結果に出て本当に良かった」と勝利をかみしめた。あと1勝で「日本一」だ。「慢心せずに、2週間しっかり突き詰め、ディフェンスで勝ったと言ってもらえるようにしたい」と気を引き締めた。