ショートプログラム(SP)23位で、16年世界ジュニア女王の本田真凜(20=JAL)が100・80点の合計156・53点をマークした。

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「LOVERS」を舞った冒頭、ダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループの2連続ジャンプを着氷。続くフリップは抜けたものの、その後の3回転サルコーと2本目の2回転半は降りた。再び3回転フリップで転倒したが、演じ終えると「まずは、本当にショートもフリーも、この舞台で滑ることができてうれしい気持ち。去年の全日本の後からジャンプから離れていて、ここまで戻せるとは想像していなかった。自分にとっては良かった部分です」と納得した。

「3回転-3回転をやることができて、数カ月前の自分だったら満足していたんですけど、少しずつ前の状態に戻ってきている。アイスダンスの選手も見て、涙が出るような素晴らしい演技だった。私もそういうふうなスケートがしたいと思った。久しぶりに』もっと自分はできるんだぞ』と思えた」と前を向けた。

「来年も戻ってきたい」とも語った上で「競技生活も後ろを数えた方が早い年齢になっている。スケートを続けるなら完璧な演技を目指したいし、過去の自分を超えたい」と向上心に再び火がつく大会となった。

前回のオリンピック(五輪)選考会から4年。「人としての感情を、この4年間で取り戻した。精神的にも4年前はひどい状態で、試合前もすごく苦しい時間だった。それに比べるとスケートを楽しめている。本田真凜の人生を楽しめている。この舞台で滑れて、スケートって本当に素晴らしい競技だなと。強くなりたいと心から思えた試合なので、頑張ります」。真凜から次々と出るポジティブな言葉。昨年は、めまいで棄権したが、今年は実りある最高峰舞台経験となった。【木下淳】