2010年バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートル銅メダリストの加藤条治(36=博慈会)が28日、長野・エムウエーブで29日に開幕する北京冬季五輪代表選考会の公式練習を休んだ。

関係者によると、加藤は車で会場に向かっていた際に追突事故に遭い、事故処理で練習時間に間に合わないと判断してキャンセルしたという。幸いにも大事には至らず「病院には運ばれていないし、ピンピンしている」(関係者)と、29日の男子500メートルには予定通り出場の方向という。

男子500メートルの代表枠は3。今季W杯2勝の新浜立也と初優勝を含め好成績の続く森重航の選出は確定。バンクーバー大会の銅メダリスト加藤は、残り1枠に挑み、5大会連続の五輪出場を目指す。

10月の全日本距離別選手権では7位と振るわなかった。それでもベテランは「1発どこかでひっくり返したい」と話していた。5位に終わった14年ソチ大会後は両膝のけがに苦しんできたが、17年の代表選考会で3位に入り、18年平昌大会に出場。本大会では6位だったが、勝負の年には復活を果たしてきた。今大会でも逆境をはねのけ、代表争いを勝ち抜く意気込みだ。

この日、W杯を転戦した海外組は、帰国後の待機期間中のため外部との接触を遮断して滑り、国内組とは分かれて練習を行った。31日に代表が発表される。【平山連】

◆加藤条治(かとう・じょうじ)1985年(昭60)2月6日、山形市生まれ。山形中央高3年時に日本短距離初の高校生W杯代表に。男子500メートルを専門とし、05年W杯で34秒30の当時の世界新記録を樹立。五輪は06年トリノ6位、10年バンクーバー銅メダル、14年ソチ5位、18年平昌6位。今季ベストは35秒07、自己ベストは34秒21。165センチ。

◆スピードスケート北京五輪代表への道 11、12月のW杯前半4大会と12月の代表選考会(長野)の結果で決まる。W杯の成績により各国・地域に最大男女各9人の代表枠を配分。日本連盟が定めたW杯で平均的に3位以内に入るなどの基準を満たせば男女各4人までに事実上の内定が与えられる。女子の小平奈緒(相沢病院)、高木美帆(日体大職)、佐藤綾乃(ANA)、男子の新浜立也(高崎健康福祉大職)、森重航(専大)は選考基準を満たし既に代表入りが確定。残りは29日開幕の五輪代表選考会の成績で選ぶ。