21年が幕を閉じる。20年はコロナ禍で大会やイベントの中止が相次いだが、この1年は感染予防対策を取りながらスポーツ、文化とも、少しずつ前に進み出した。北海道では、コンサドーレ札幌へのサッカー元日本代表MF小野伸二(42)の復帰に始まり、夏場は東京五輪で北海道勢が活躍。12月はお笑いコンビ「錦鯉」の50歳長谷川雅紀(札幌市出身)がM-1グランプリ最年長優勝を飾り盛り上げた。日刊スポーツ北海道版担当記者が1年を振り返り、取材時の裏話、思い出などをつづった。

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兄の前で見せた勇姿に胸が熱くなった。真夏のような暑さが残る9月、旭川で開催されたソフトボール日本女子1部リーグの試合に出場した札幌市出身の山本優内野手(33=ビックカメラ高崎)のプレーが心に残っている。この日は東京五輪で金メダル獲得後初、今季唯一の道内試合だった。 観衆は約1400人。試合前満員のスタンドを歩いていると、かわいらしい手作りの応援ボードを手にする夫婦とまだ幼い2人の女の子家族に目がとまった。「優 大ハートスキ がんばれ」と描かれたボードを掲げ、グラウンドに熱い視線を送るお父さんに取材させてもらおうと社名と名前を名乗る。すると「優のきょうだいです」と返答が。私が声をかけたのは山本の兄豪さん(35)。早朝に札幌を出発し一家で応援に駆けつけていた。

山本はお兄ちゃん子だった。幼少期野球を始めたのも兄がやっていたことがきっかけだった。「小っちゃい時、とにかく自分の後ろを歩いて、なにをするにも一緒だった。妹が金メダリストというのは信じられないですよね。本当にすごいとしか言いようがない」と兄は口にする。

この日の試合で山本は1番三塁で先発フル出場。3打数1安打と兄が見守る前で結果を残した。今月には今季限りでの現役引退を表明し、今後は指導者として活動する。「ここまでよく頑張った」。兄の短い言葉に、山本がこれまで積み重ねた並々ならぬ努力の量を感じた。【山崎純一】