女子テニスの世界ツアーを運営し、選手を統括する組合の意味合いも持つ女子テニス協会(WTA)のサイモン会長は7日、声明を出し、「われわれが抱いている彭帥の疑惑は、何も解決していない」と強調した。

彭帥は、7日付のフランス・スポーツ紙、レキップの独占インタビューの中で、性的関係を強要されたことはないと、昨年11月に投稿した内容を否定。同時に、5日、北京五輪で国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と面会したことも明かした。

7日には、フィギュア団体戦、8日にはフリースタイルスキーの女子ビッグエアの会場で姿が確認されており、バッハ会長のそばで観戦していた。報道陣が問いかけても無言だったという。また、インタビューの中で、現役引退も公表している。

彭帥は中国共産党の元高官から性的関係を強要されたと、昨年の11月2日に自身のSNSに投稿。すぐさま投稿は削除されたが、それ以降、彭帥とテニス界は連絡が取れなくなった。ツアーや女子テニス選手を統括する女子テニス協会(WTA)が困惑し、同14日に声明を出した。

また、IOCは同21日に「バッハ会長が彭帥とテレビ電話で話し、無事を確認した」と、突然に公表。この件で、北京五輪の開催を控えていたことで、IOCは中国のプロパガンダに協力したと批判を受けていた。

この日のWTAの声明は、WTAがいまだに、彭帥と直接、連絡が取れていないことを明らかにしている。また、サイモン会長は「世界中のどの選手に対してもするように、当局による疑惑の正式な調査と、WTAが彭選手と個人的に会う機会を設け、彼女の状況を話し合うことを要求する」とし、IOCと中国側の独占的な行動を暗に批判している。