柔道男子の00年シドニー五輪金メダリストで、東京五輪男子代表監督を務めた井上康生氏(43)が28日、大阪市内の横堤小学校で講演を行った。

同校の求めに応じて生徒ら約200を前に、自身の経験談や柔道のデモンストレーションなどを披露。約1時間、交流した。

井上氏は、講演開始直後から演台が設置された壇上を下りて、生徒と同じ目線に立って、語りかけた。「5歳から柔道を始めた。お父さんが柔道をやっていて『あ、かっこいいな』と思って。それから43歳までやっています。生きていく力を養った」。その上で生徒たちに大切にしてほしい3つのポイントを挙げた。

<1>当たり前のことをちゃんと当たり前にできる。成功する人は共通するものとして根底に基礎がある。

<2>失敗、挫折は恥ずかしいことじゃない。失敗は成長するエネルギー。いろんなことに挑戦してほしい。

<3>人と人のつながりを大事にしてほしい。「ありがとう」「おはよう」を返すことで、いろんな人が協力してくれる。

講演の後半には自ら柔道着を着て、生徒たちに投げられて、何度も受け身をとった。「本当は、あまり投げられる人じゃないんだけどね」と笑顔を見せた。

質疑応答では「これまで強かった人は?」と質問されて「篠原信一さん」と即答。「すごく強かった。試合で組んだ時に『あ、ダメだ』と思ったのは、あの人です」と振り返った。

講演の最後には「成功、失敗ではなく、今持っている力を出し切る。そういう気持ちで臨むほうがいい結果が出る。試合で100%以上を出すことは難しい。無理だと思います。背伸びはできない。やってきたことを出そう、それが大事です」と積み重ねの大切さを口にしていた。【益田一弘】