歴史的勝利の裏に「ダンス」あり-。

ラグビー女子15人制日本代表(世界ランク12位)が11日、過去3戦全敗だったオーストラリア(同5位)を12-10で下した一戦から一夜明けて思いを語った。

敵地ゴールドコーストでのテストマッチは、新型コロナウイルスの陽性となったレスリー・マッケンジー・ヘッドコーチ(HC)が不在。それでも粘り強い防御を続け、体格で勝る相手を2トライに封じた。

フランカー長田いろは(23=アルカス熊谷)は「キーワードを言い合いながらディフェンスをし続けました。『GO・DANCE・GO』。真っすぐではなく、フットワークを使って、みんなで仕留める」。小学生の頃にダンス教室に1年間通った23歳は、そう言って満面の笑みを見せた。

マッケンジーHCは現地のホテルの自室にこもり、映像を見る形になった。試合前には30分間のヨガを行い「リラックスして見られた。選手をサポートしたスタッフに感謝している。エネルギーのレベルを調節できました」と苦笑い。その上で自ら合言葉として落とし込んだ「GO・DANCE・GO」の意味を明かした。

「タックル周辺のキーワードです。最初の『GO』で速く(オフサイド)ラインから上がる。『DANCE』の部分で脚や、体を動かし続ける。調節して、2回目の『GO』がアクセル。軽やかな感じがするが、選手たちはより(タックルを)力強くさせるものと認識しています」

10月にはW杯ニュージーランド大会を控える。前回の17年W杯アイルランド大会は1次リーグ3連敗。期待は高まるが、元カナダ代表のマッケンジーHCは「W杯に向けて、何も変わったことはない。選手たちには勝つことというよりも、試合でのパフォーマンスを重要視して欲しいと伝えている。アプローチは全く変わらない」と勝ってかぶとの緒を締めた。【松本航】