4大大会歴代20度の優勝を誇る世界3位のノバク・ジョコビッチ(35=セルビア)が4連覇7度目の優勝に王手をかけた。

地元の期待を背負った同12位で第9シードのキャメロン・ノリー(英国)に2-6、6-3、6-2、6-4で勝った。決勝では同40位のニック・キリオス(オーストラリア)と対戦する。キリオスは準決勝で対戦予定だったナダル(スペイン)が腹筋のけがで棄権。自身初の4大大会初の決勝進出となった。

ジョコビッチらしくない雑なテニスで、第1セットを落とした。「4大大会の準決勝はいつも難しい」と話したが、第2セット以降はミスを減らし、続く3セットを快勝。4大大会男子歴代最多の32度目の決勝進出を果たした。

決勝で待ち受けるのは、準決勝を戦わずして勝ち上がってきたキリオスだ。準々決勝のガリン戦では、右肩の治療を受ける一幕もあったが、準決勝がなくなったことで休養十分。実は、ジョコビッチはキリオスと2戦して全敗。1セットも奪っていない。

ともに5年前で17年の対戦とはいえ、ジョコビッチは「1セットも取ったことがないから、そうならないことを願うね」と苦笑い。「彼は屈指のビッグサーバー」と、今大会最多120本のエースをたたき込んでいるキリオスのサーブを警戒。

今大会に優勝すれば、20回でフェデラーと並んでいた4大大会通算優勝回数を21回に伸ばし、最多22回を誇るナダルに迫る。大会後、世界ランキングは7位に転落するが、優勝の名誉と自信は、ジョコビッチの王者復帰への原動力となる。

今大会は、主催者であるオールイングランド・ローンテニスクラブ(AELTC)が、ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシの選手の出場を認めず。その決定に抗議し、男女のツアーを運営するプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が、世界ランキングのポイントを大会に付与していない。

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドで最大10コートがライブ配信される。