日本ハンドボールリーグ(JHL)男子で首位を走るジークスター東京は13日に都内で記者会見を開き、24年9月に開幕を予定する新リーグ入会審査の申請見送りについて説明した。
8月31日締め切りの審査申請を行わず、リーグ初年度の参入の可能性はなくなっている。大賀智也社長は冒頭にスタンスを示した。
「丁寧な合意形成がなされていない。今回リーグが(新リーグと既存のリーグの)2つのグループに分かれることになった責任は(JHLの)葦原(一正)代表と理事会にあると言わざるを得ない。新しいリーグに全てのチームが参入し、その後切磋琢磨(せっさたくま)していけるようにあるべきと考える。このまま審査を進めるのではなく、1度立ち止まり、まずはプロリーグとして、新たな事業について合意形成をすべきと考えます。日本ハンドボール協会にも、この混乱を招いた責任の一端はある。主体的に事態を収拾していただけることに期待したいと思います」
チームにはSNSで「レミたん」としてハンドボール界屈指の人気を誇る土井レミイ杏利(32)や、日本代表の東江雄斗主将(29)ら日本の中心選手が数多く在籍。今季もアリーナ内外でリーグを引っ張る存在だ。
だが、2年後に世界最高峰を目指して始まる新リーグ参入を見送った。9月1日のJHLによる記者会見で、葦原代表理事は「昨日の申し込み締め切りで確認したばかり。(理由は)正直まだ分かっていない。今後、各チームに対してヒアリングをさせてもらいたい」と語るにとどめていた。
新リーグは「シングルエンティティ」と呼ばれる手法を用い、リーグが一括して全チームの事業運営を担う。だが、ジークスター東京の大賀社長はあらためて反対の姿勢を示した上で「そこをつかさどる本部がしっかりしていない限り、成立しない。実績がこの1年間で少しでも見受けられて、スポンサーを獲得してきて営業力があるとか、判断できる材料があれば良かったが、判断できる材料がない。『せ~の、ドン』で賛同してください、はおかしい。合意形成すべき」と主張した。チームはJHL側と参入見送り決定前に質問状を送る形でやりとりし、締め切り日の8月31日には決断の理由を書面で送付。葦原代表理事にも電話し、スタンスを示したという。
所属選手には参入見送り決定後、全員が集まることが厳しい状況下だったため、メールで決断が伝えられた。今後については「納得感を得られる事業計画が示され、ESG(環境・社会・ガバナンス)時代にふさわしい運営体制、手法、情報開示がなされることはもちろん、重要なテーマに関しては社員総会において決議されるという当たり前のことが実施されることを確認できた段階で、あらためて参入を検討したい」としている。
男子は9チームが新リーグ入会審査申請を行った一方、ジークスター東京や、日本協会の湧永寛仁会長が社長を務める湧永製薬など、5チームが参入を見送った。大賀社長は「間違いなく分かれる必要がないのに、分かれるのは競技力が下がるし、ファンが望むべき形ではない。我々は全チームが一緒になって切磋琢磨し、次のステップ、強い日本を作ることが大切なんじゃないかなと思います」と思いを口にした。【松本航】


