日本(世界ランク6位)は、昨夏の東京五輪銀メダルのブラジル(銅2位)にフルセットの末に敗れて4強入りを逃したものの、主将の古賀紗理那(26)は収穫を強調した。

1次リーグ中国戦で右足首を捻挫した古賀は、スタメンには復帰できず。万全でない中で、この日はベンチから選手の背中を押し続け、劣勢になった第3セットからコートに入った。

「最終的には敗戦してしまったのですが、チームとしてこの大会を通して成長した部分がすごく出たかなと感じます。成熟度は最初、集合した時よりも高くなった。そこが日本の強みになりました」

夏の代表合宿中は強烈なリーダーシップで、若手を引っ張っていた。

大会に入り、古賀がケガをすると、今度は若手に自覚が芽生え、エース不在の穴を埋めた。

石川真佑(22)、山田二千華(にちか、22)、林琴奈(22)らはこの日も大活躍。

林がチーム最多21得点、石川と山田が18点で続いた。攻撃力に厚みが増しただけでなく、日本の中心として若手選手が堂々とした戦いを見せた。

主将として、コートの外からもそれを感じていたという。

「(来年以降)また厳しい戦いが続きますけど、今年は収穫がたくさんあったシーズン。私より年下の選手がたくさんいる中で、大会を通して成長しましたし、個々も成長しているのを外から見て感じることができました。一致団結して今日までしっかり戦うことができた。(今後は)次のシーズンが1番大事。パリに向けて切符を取る意味ではすごい大切。ここ(世界選手権)でできたことを、さらにステップアップして、次の年につなげていけたらなと思います」

1次リーグで敗退した昨夏の東京五輪からはい上がり、世界選手権では10年大会以来、12年ぶりの4強入りは目前だった。

悔しさは募る。

それでも、24年パリ五輪に向けて、彼女たちは確かな経験と自信をつかんだ。