勿来工がラグビーの聖地「花園」に向かう。福島県選抜チームに47-10で快勝。当初予定だった第102回全国高校ラグビー福島県大会決勝が中止。対戦相手で前年度王者・磐城の関係者がコロナ陽性となり出場を辞退した。代替となった一戦で計6人で7トライを挙げるなど、冬本番へ弾みをつけた。

まさかの知らせだった。全国切符を懸けた決勝前日の11日。最終調整を終えた選手たちに衝撃が走った。「磐城の出場辞退」。小松傑監督の口からそう告げられた。主将でSO鈴木悠斗(3年)は「(選手)みんなが『えっ…』って感じで、驚きを隠せなかった」と振り返る。磐城とは同地区で練習試合も頻繁に行う間柄だ。お互い手の内を知り尽くしており、決勝で戦えることを心待ちにしていたという。「(磐城と)一緒に同じ地区で頑張ってきたので、最後(決勝で)戦いたかったです」。25年ぶりの花園出場も、どこか複雑な心境だった。

福島の代表にふさわしい強さを示した。計6人で7トライと圧倒。前半6分に先制点を奪い、同25分には鈴木悠主将がチーム3本目のトライを中央へ沈めた。後半に入ると主導権を1度も渡さず、リードをさらに広げた。「(試合の)入りの部分で緊張しましたけど、決勝戦だと思って、前半から流れを持ってこれた」と納得の表情を浮かべた。

簡単には負けられない。鈴木悠主将は力強く誓った。「(福島の)代表として磐城の思いも背負って戦いたい」。戦友の無念さを胸に刻みながら、全国舞台に挑む。【佐藤究】