関西王者の京都産業大は、またしても準決勝の壁に阻まれた。ベスト4入りしたのが今大会で9度目。初の決勝進出へ、わずか1点差だった。

リードした前半20分すぎ。攻めに出たキックで逆にカウンターを浴び、キック処理のミスも重なって10-10の同点とされる。その勢いのまま早大の連続トライで勝ち越しを許した。ラインアウトが安定せず、わずかなミスがことごとく失点につながった。

1点差だが、試合巧者だったのは早大の方だった。

共同主将のフランカー福西隼杜(4年=報徳学園)は「力は出せたが、小さなミスがトライ、ビッグゲインにつながってしまった」と目を赤く腫らしながらも「みんなとラグビーをしていて、楽しかったです。日本一という目標に向かって一丸になることができた。最高の仲間です」と胸を張った。

昨季は準決勝で帝京大に残り10分すぎまでリードしながら30-37で惜敗。この1年間、国立で勝つことだけを目標に厳しい練習を重ねてきた。

それでも、あと1歩が遠い。今回も含め準決勝は9戦全敗。就任2年目、元日本代表SOの広瀬佳司監督(49)は「9度目の挑戦で、何とか歴史をつくりたい。壁を破りたい。その一心でした。達成できず残念です」と天を仰いだ。

24年ぶりに関西リーグを2連覇。福西とCTB家村健太(4年=流通経大柏)の2人が共同主将としてチームをまとめ、過去最強とも呼ばれた。47年間、同校を率いた前監督の大西健氏は「今までなら『よく頑張った』と言えるが、今回は本当に勝たないといけなかった。圧倒的な力をつけなければ、ここ(国立)では勝てないのだろうか」と遠くを見つめながら話した。

2季連続で4強で散った。壁を越えるための挑戦は、来季もまだ続く。