Aシード東福岡が、6大会ぶりの頂点に王手をかけた。2年前のこの日、準決勝で敗れた京都成章を強靱(きょうじん)なフィジカル、多彩なアタックで圧倒。前半で33-0とほぼ勝利を引き寄せた。昨年度まで5大会連続で負けた“魔の1月5日”を越え、大会史上4位タイとなる7度目の優勝へ。7日の決勝は報徳学園(兵庫)と対戦。コロナ禍で不戦敗した春の選抜の決勝相手にぶつかる。
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東福岡のすごみが際立った。前半7分、NO8藤井達哉(3年)がゴール前ラックからサイドを突いて、トライを決めた。同15分、CTB西柊太郎(3年)の飛ばしパスを受けたWTB馬田琳平(3年)がディフェンダー3人をかわし、オフロードパスを受けたFB石原幹士(3年)がフィニッシュした。
キックで敵陣に入り、激しい守備でボールを奪い、先制トライにつなげた。2本目のトライは、フランカー中川一星(3年)のターンオーバーから始まった。2年前の1月5日に敗れた京都成章にゴツゴツ体を当てて縦を突き、機を見て外に振る。ダイナミックに攻守で圧倒し、前半だけで33-0。30分間でほぼ試合を決めてしまった。
3トライを決めた副主将のNO8藤井が言う。「1年間、しっかり体を当てることにこだわってきて、今までの花園で一番の試合ができました」-。
花園準決勝がある1月5日は、5大会連続で涙をのんだ“魔の日”だ。「昨晩は目を閉じたら、1年前の負けがフラッシュバックして眠れなかった」とフランカー大川虎拓郎主将(3年)は、東海大大阪仰星戦にうなされたが、悪夢を払拭(ふっしょく)した。
チーム状態はピークを迎えた。準々決勝まで3戦フル出場が1人もおらず準決勝に臨んだのは、東福岡だけ。リザーブがスタメンと変わらぬ力を持つ層の厚さが、個々の消耗を防ぐ。「(開幕の)12月27日に現地入りして宿舎、花園、練習を行き来するだけ。フィールド外をどう過ごすかも戦術」と言う藤田雄一郎監督(50)は「決勝はベストで臨めます」と力強い。
昨年3月31日、報徳学園との選抜決勝戦はコロナ禍で辞退したが、同日に行った練習試合は37-10で勝った。同監督は「報徳さんとは全国で一番交流があって、交流戦は40、50年になる。一番いいところでやれるなんて」と喜んだ。花園では初対戦となる宿敵を、全力で倒すつもりだ。【加藤裕一】


