昨季の世界選手権女王で、昨年12月の全日本選手権で優勝した坂本花織(22=神戸学院大)が146・62点をマークし、大会2連覇を果たした。2位に16・65点差をつけ、年明け初戦で好発進。「年末年始はゆっくり過ごせたわりに、体の動きがそこまで落ちず、だいぶ楽に挑めました」と明るく振り返った。

笑顔でリンクインし、スピードに乗って滑走。冒頭でダブルアクセル(2回転半)を危なげなく跳ぶと、3回転ルッツ、3回転サルコーも決めた。

後半ではフリップ-トーループの連続3回転ジャンプにも成功。7本のジャンプを全て降りた。

演技後は安堵(あんど)の表情を浮かべながらも、連続3回転以降のコンビネーションジャンプが、2回転半-2回転トーループとなったことを反省。「後半でどれだけ踏ん張れるかが勝負どころなので、今日は半分負けてしまった感じ」と悔しさをにじませた。

国内外を転戦し、疲労が蓄積する中、インカレへの出場を続けてきた。理由の1つは「神戸学院大として出場するので、大学に貢献できるから」というもの。もう1つには「インカレに出ることで、年末年始も気持ちを緩められないから」という要因もある。

1月以降は冬季ワールドユニバーシティーゲームズ(12~22日、米レークプラシッド)、冬季国体(27~31日、青森・八戸市)を控えており、今大会は自らを律する「ストッパー」と位置づけている。この日も「ジャンプのことで精いっぱいになっている」と現在地を点検。インカレを通じ、「ジャンプを安定させつつ、他の表現力をもっと磨きたい」と改善点を見いだした。

苫小牧では初めての滑走となった。前夜には三宅咲綺(20=岡山理大)と一緒に北海道ディナーを満喫。「ホタテとかサーモンとか、海鮮系を食べました。あと言っていいかな…。えっと、締めでみそバターコーンラーメンも」と笑顔で明かし、朗らかに笑い飛ばした。

3月には世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)での2連覇も懸かる。北の大地で課題と鋭気を蓄えた坂本は、23年も自分らしく歩み続ける。【藤塚大輔】