B1仙台89ERSが8日に行われたアルバルク東京戦で「ディフェンスアクション(防災バスケ)」を実施。バスケットボールを通して防災への理解を深めた。さらに、試合開始前には東日本大震災の犠牲者を追悼し、両チームの選手をはじめ、全員で黙とうをささげた。これからも震災を風化させないためにも、宮城のクラブとして戦っていく。

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「ディフェンスアクション」には志村雄彦社長(40)、渡辺翔太(24)、佐藤濯バスケットボールスクールコーチ(40)が参加。同バスケットボールスクールU9の子どもたちと津波や火事が起きたときの避難訓練を行った。渡辺らが「津波」「火事」と叫ぶと「高台」「屋外」という張り紙が貼られた、避難場所に見立てたポールに向かって子どもたちがドリブル。2チームに分かれてのシュート対決では、掛け声に合わせて「高台」「屋外」のどちらかをかわしてシュート。津波が起きたら高台へ、火事が起きたら屋外へ避難することを体で覚えた。志村社長は「いつ何が起きるかというのは予期できない。実際、その瞬間に立ち会ってみると、なかなか行動ができなかったりする。危険察知能力を高めて、被害を抑えていくことが非常に重要。今後、子どもたちが今回やったことを思い出して、自分で振り返る時間になってもらえたらと思います」と訓練について語った。

試合はA東京に60-86で敗れた。前半は35失点と堅守を発揮したが、後半51失点。チーム最多13得点をマークした岡田泰希(23)は、「前半はナイナーズのディフェンスができていたと思うが、後半、同じプレーで何度もやられた。自分たちのディフェンスをできなかったことが敗因」と振り返った。

声出し“黄援”が復活した初戦は26点差の大敗。次節15日の茨城戦もホームで戦う。今度こそ“大黄援”に応えてみせる。【濱本神威】

■「トルコ・シリア地震」支援募金も

この日は「トルコ・シリア地震」支援のため、会場内に募金箱を設置。試合後には仙台ネイサン・ブース(29)、加藤寿一(29)、寒竹隼人(36)、A東京ザック・バランスキー(30)、笹倉怜寿(25)がブースターに募金を呼び掛けた。17-18年シーズンと昨シーズン、トルコ1部リーグでプレーしたブースは「家族や友人を亡くされた方々にとって、なかなか受け止められない本当に悲しい事故。彼らの身の安全が守られることを願っていますし、前に進めるような状態になってくれるといいなと思います」と、地震の被害を受けた人々に思いを寄せた。