来年のパリ五輪でミュンヘン大会以来52年ぶりの五輪メダルを目指すバレーボール男子日本代表「龍神NIPPON」が、今年初の対外試合を白星で飾った。

中国と対戦し、ボーナスセットットして行われた第4セット(S)、第5Sを含めた全Sを奪った。スターティングメンバーに抜てきされた19歳のアウトサイドヒッター甲斐優斗(まさと、専大)が、第3Sまでで2桁得点を挙げる活躍。新戦力が、日本に勢いをもたらした。

イタリア1部リーグで活躍する主将の石川祐希、高橋藍らは未合流ながら、中国を圧倒した。第1Sから大学2年生の甲斐が、思い切りの良いプレーを披露。2メートルの身長を生かした力強いスパイクを広角に打ち込んだ。中盤まで競った展開になったが、終盤からは徐々に硬さも取れ、25-19で先取した。

第2、3Sはエース西田有志を中心に、要所でスパイクやサーブが立て続けに決まった。相手のサーブミスなどもあり、25-20、25-17と危なげなく奪取し、勝利を決めた。ボーナスセットとして行われた第4、5Sは、ポーランドで武者修行を続けるオポジット宮浦健人(24)が爆発。6度のサービスエースを決めてチーム最多の19得点をたたき出すなど、25-17、15-4と、相手を全く寄せ付けなかった。

会場には3000人を超えるファンが訪れた。トップチームで初出場となった甲斐は「自分のやることをやろうと思った。監督から『楽しんでこい』と言われて楽しめたかなと思います」と笑顔。宮浦は「久しぶりの日本での試合で楽しかった。温かい応援をありがとうございました」と感謝した。

9月30日開幕の五輪予選(東京・代々木第1体育館)で上位2カ国入りを目指す日本。20日にも、同所で中国と親善試合を行う。