来年のパリ五輪でミュンヘン大会以来52年ぶりの五輪メダルを目指すバレーボール男子日本代表「龍神NIPPON」が、中国との親善試合に3-1で勝利した。若手とベテランが相乗効果を生み、23年度初の対外試合で連勝。フィリップ・ブラン監督の63歳の誕生日を飾った。

第1セット(S)は、エース西田有志(ジェイテクト)がマークを受けながらも存在感を発揮。レシーバーを吹き飛ばすような強烈なスパイクも決め、25-21で先取した。第2S以降は、代表経験豊富な28歳高橋健太郎(東レ)や小野寺太志(JT広島)らミドルブロッカーが躍動。クイック攻撃を要所で決めた。第2Sこそ23-25で失ったものの、第3、4Sはそれぞれ25-23、25-15で奪取し、勝負を決めた。

フレッシュな活躍も光った。19日に続き19歳のアウトサイドヒッター甲斐優斗(まさと、専大)が先発出場。2メートルの長身を生かした角度のあるスパイクで得点を重ねると、第1Sの途中から出場した初選出の20歳、西山大翔(ひろと、パナソニック)も跳躍力のあるサーブを披露。2人で15得点を挙げ、流れを呼び込んだ。

この日も満員御礼。3000人を超えるファンの前で、成長を示した。自らの誕生日を白星で祝ったブラン監督は「若い選手の活躍が刺激を与えているのはいいこと。今のメンバーだけでなく、全てのメンバーが同じ目標に向かって情熱を持ってやってきた。練習でやってきたことをコートで示すべく戦った」と、満足そうに話した。

チームは富山合宿を打ち上げ、6月6日から名古屋で始まるネーションズリーグに備える。「東京五輪は無観客だったけど、今年は名古屋、東京でサポートして欲しい」と呼び掛けた。9月30日開幕の五輪予選(東京・代々木第1体育館)で、上位2カ国入りを目指す。