女子は中学生3人が表彰台を独占した。

14歳の上村葵が、2本目のランで84・19点をマークし、新設大会の初代王者に輝いた。2位には13歳の吉沢恋(ここ)、3位には12歳の大西七海が続いた。

優勝した上村は、2本目で背後のセクション(道具)に飛び移り、障害物の上を滑っていくバックサイドスミスにトライ。高難度のトリックを成功させ、観衆から喝采を浴びた。

24年パリオリンピック(五輪)の代表枠は、ストリート、パークの2種目とも最大各3人。女子は21年東京五輪で金メダルをつかんだ西矢椛(15)や銅メダリストの中山楓奈(17)らを含めた争いとなるが「3位までに入れるように頑張りたい」と五輪切符獲得へ前向きな姿勢を示した。

2位の吉沢も、ライバルを意識した言葉を残した。「すごくレベルの高い選手が大勢いて、その中で戦っていくのは一握りしかいないので、もっと自分だけができる技を身に付けていきたい」。上位へ食い込むため、大技習得への決意を口にした。

3位に入った大西は「目標以上」と充実の笑み。決勝進出者では最年少ながら表彰台入りし「やってみるといろいろなことができて、目標が増えたような感じがする」と手応えも得た。

着実に力をつけている日本の10代の選手たち。その姿に感銘を受けていたのが、男子2位のカルロス・リベイロ(ブラジル)。男子でも16歳の佐々木音憧(とあ)が3位に入り「日本の次世代のレベルは素晴らしい」と称賛。さらに「大会で5、6人出てきたなと感心していると、翌年には10~15人ほど新たな選手が出場している。短期間で成長を遂げている」と賛辞を惜しまなかった。

試合中にはお互いの技に拍手を送り、たたえ合うシーンが目立った。優勝インタビューでは、上村が2位の吉沢との試合中のやりとりを回想し「お互いに『頑張ろう、抜かし合おう』って励まし合っていた」と明かす一幕もあった。

明るい雰囲気で切磋琢磨(せっさたくま)、技を高め合っていく。