世界ランク2位の小田凱人(ときと、東海理化)が4大大会を初制覇した。世界ランキング1位のアルフィー・ヒューエット(25=英国)を6-1、6-4のストレートで撃破。17歳33日での4大大会優勝は、男子シングルスで史上最年少の快挙となった。大会後の世界ランクは、2位から史上最年少での1位浮上が確定。4大大会同種目28勝で今年1月に現役引退した国枝慎吾さん(39)の後継者が、大きな1歩を踏み出した。

  ◇  ◇  ◇

優勝後の場内インタビュー。小田はファンへ“約束”を持ちかけた。「これをきっかけに車いすテニスを見た方は、絶対に応援してほしい。これからは僕がもっともっと盛り上げて、さらに大きなスポーツにしていきます」。力強い言葉を会場に響かせた。

かねて「車いすテニスを通じて、パラスポーツを知ってほしい」と繰り返してきた。8月には、日本初の国際テニス連盟(ITF)公認のジュニア大会「岐阜オープン」を開く。1人でも多くの子どもたちに競技を認知してもらうべく、自ら大会新設を提案した。

5月に17歳になったばかりだが「何歳でもチャレンジできる」と志が高い。目指すべき選手像がある。「試合をするだけがスポーツ選手じゃない。いろいろな活動をしてこそのアスリートだと思う」。4大大会を最年少で制した小田は、真っすぐな瞳で未来を見据えている。【藤塚大輔】

 

◆放送 全仏オープンテニスはWOWOWで連日生放送。WOWOWオンデマンドでもライブ配信される。