21年東京五輪(オリンピック)銀、22年世界選手権銅メダルの本多灯(21=イトマン東京)が1分53秒66で、2大会連続の銅メダルを獲得した。

残り50メートルのターンからスパートしてゴール直前まで2番手だったが、タッチの差で3位に。銀メダルのフミレウスキ(ポーランド)との差は100分の4秒差だった。

それでもレース後のインタビューは「何が何でもメダルを取りたいと思っていたので、うれしいのひと言です」と笑顔。「今日、起きて絶好調の時より体が重くてどうしようと思ったけど、会場にきたらやるしかないと思った。自分が何が足りないのかを確かめて、パリに備えたい」と続けた。

大会初日の400メートル個人メドレーで予選敗退。前日25日の200メートルバタフライ準決勝は1分54秒43の全体5位と伸びきらず「今の心情が苦しいのは事実。挑戦して、挑戦して、悪あがきして、どこまでできるか。その気持ちは忘れずに頑張りたい」。決勝を見据えていた力を振り絞った。

1年前と環境を変えた。22年にブダペストで行われた世界選手権は銅メダル。今大会は欠場となったミラク(ハンガリー)が世界新記録で優勝し、2位に当時20歳のマルシャン(フランス)が入った。大会の思い出は「悔しいという気持ちだけで終わっちゃった」とほろ苦いものになった。

昨年までは日大を拠点としてきたが、今年に入ると所属先をイトマン東京に変えて再出発。4月の日本選手権4連覇以降は、イトマンの堀之内徹氏がメインコーチとなった。24年パリ五輪(オリンピック)に向け、中長期的な強化を開始。初めての挑戦だった。

5月にはヨーロッパグランプリに出場。3大会を転戦しながら、ウエートトレーニングは並行して行ってきた。複数種目をこなしながらの強化は、今までにない経験。本多は思わず漏らした。

「ちょっと分からなくなっています…」

過去に21年東京五輪(オリンピック)代表の大本里佳さんらを育てた堀之内コーチは「明らかに疲労からメンタルを持っていかれていた。最終的な目標に向かってやる上では、そういう体の状態でできる対応や調整をし、最低限の結果に持っていくようにしないといけない」と意図を明かした。陸上ではスクワットなど下半身を中心に鍛え、水中で地道なキックの練習を続けた。同コーチは「誰も到達したことがないところを目指してやっている。『本多灯のトレーニング論』を作っている」と言い、最大のターゲットを見据える。

この日、パリ五輪の開幕まで丸1年となった。

1年後に笑うために-。福岡で得た学びに向き合う日々が始まる。【松本航】

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