16年世界ジュニア女王の本田真凜(22=JAL)が今季のSPを初披露した。
曲はアラン・ウォーカーの「Faded」。「自分のスケート人生を光と影で、この曲で表したいとお願いして作ってもらいました」と振付師のシェイリーン・ボーンさんに手がけてもらった。
「ガンバ!」の声が起こる中、青、紫の淡いグラデーションを施した衣装で滑りだすと、冒頭の3回転サルコーは転倒、3回転ー2回転のトーループと続き、ダブルアクセル(2回転半)は1回転になった。終盤のステップシークエンスでは手拍子を受けながら滑り切り、「最後まで丁寧に滑る事はできたかな。明日はもっと縮こまらずに、思い切り頑張れたらなと思います」と期した。
今月まで人気アニメ初のアイスショーとなった「ワンピース・オン・アイス」でヒロインのビビ役を熱演した。長期間の稽古で、氷上で役者のようにセリフに合わせて滑る新境地。その中でスケートの楽しさも再認識してきた。「試合となるとすごく弱い部分が前面的に。自信がなくなるじゃないですけど、滑っててそう感じる事も小さい頃と比べるとたくさんあります。自分以外の何かになりきって皆さんの前でスケートできたことは、少し自信をとりもどさせてもらすきっかけになったかな」と貴重な時間となった。
シニア7季目。今季の目標の1つは年末の全日本選手権になる。第1関門の今大会。SPは思うような滑りには遠かったが、大きな歓声に包まれた。「今日みたいにたくさん応援してくれている方にも、感謝の気持ちをスケートで返せるようにというのを一番考えてます。そこが全日本だと、自分が一番求めている場所なので、勝ち取りたいなと思います」。そう気持ちを込めた。