昨季世界選手権10位の渡辺倫果(21=TOKIOインカラミ/法政大)が「フリー番長」返上を誓った。今季2戦目で武器のトリプルアクセル(3回転半)に挑みながら、転倒やジャンプミスが続いたフリーを92・79点、合計152・93点で終えると、「フリー番長と言いますか、フリーで巻き返すっていうのを、まずは今年断ち切れるように」と力を込めた。

この日は不発で順位も6位に終わった。ただ、昨年はショートプログラム(SP)で出遅れ、フリーで一気に浮上するパターンが多かっただけに、「ショートからちゃんと点数出せていけるように練習を積み重ねていきたい」と続けた。

昨季はGPシリーズ初出場初優勝など、世界選手権代表まで駆け上がった出世のシーズンとなった。アイスショーの出演などで競技人生で最長のオフを取って迎えた新シーズンになっている。

フリーのテーマは「暗黒時代」と呼ぶジュニア時代からの飛躍の昨季、そして思い描く未来までをテーマとする。作品のタイトルを問われると「なんとも呼んでないな…、今考えます」と苦笑い。長考の末に「ひと言で表すなら『スケート人生』と思うんですけど、また考えておきます」と声を弾ませて宿題とした。