世界ランキング8位の日本は、今大会での6大会連続のオリンピック(五輪)出場とはならなかった。来夏のパリ五輪予選を兼ねるワールドカップ(W杯)の最終第7戦で、世界4位のブラジルにフルセットの末に敗れた。
悔し涙を流したセッター関菜々巳(24)は「勝てるセッターに」と繰り返した。
「五輪の切符をつかむことが目標で、今年はそれしかなかった。それができなくて、応援してくださった皆さんに申し訳ない。自分自身はもっと勝てるセッターになりたい」
強い口調で覚悟をにじませた。
同点で迎えた最終第5セット。「サーブが弱くなってしまった」と思い描くプレーができなかった。「そこで同じようなサーブが打てないと」。重圧のかかる場面で、いかに“いつも通り”が体現できるかを課題とした。
その一方で強みも再確認した。今大会は日替わりでヒロインが誕生。「今日も途中から出た選手が活躍していた」とチーム一丸で得点を重ねた。関は「コミュニケーションが一番大事」との信条のもと、積極的に仲間に働きかけてきた1人。「やっぱり強いチームは誰が出ても活躍する。それが少しずつできるようになってきている」と自信を深めた。
チームの一体感が増し、強豪相手に対しても引けを取らない試合はできた。だからこそ、もう1つ上のレベルを目指していく。
「自分たちがやってきたことが機能している時は強豪国と互角に戦えることが分かった試合だったが、それを継続する難しさも感じた。勝負の世界は勝たないと意味がない。勝てるセッターになりたい」
流した涙と誓った決意を胸に刻み、さらに強くなる。