かごしま国体は7日の総合開会式で幕を開ける。8日に始まる空手競技(薩摩川内市)の少年組手個人戦には帝京長岡高から男子で宮野煌大(こうた=2年)と、女子で中島朱澄(すずみ=3年)がアベック出場する。宮野はインターハイは4回戦で敗れたものの、優勝した山脇優希(大阪・浪速3年)に2-3の接戦だっただけに目標は優勝へ、一直線。中島は高校最後の公式戦で全力を出し尽くす。
きつく結んだ宮野の口元が強い決意を表していた。国体の目標を短い言葉で言い切った。「優勝です」。夏は悔しい思いを味わった。インターハイ4回戦で、優勝した山脇に2-3の惜敗。敗者復活に回ったが、3位になった長沼冬和(北海道・恵庭南2年)に2-3で負けた。夏以降は、紙一重の差を埋めるための練習に取り組んだ。「普段の練習でどれだけ追い込めるか、だった」。
国体のコーチを務める帝京長岡の山口義博監督(38)は「積極的な攻撃と勘の良い。技を出すタイミングがすごくいい」と宮野を評価する。そんな中から弱点を抽出した。「実戦不足。体力不足」だった。県外遠征を例年より増やし、他県の選手と練習試合。山口監督の母校でインターハイ覇者・山脇のいる大阪・浪速にも足をのばした。普段は朝練習を1時間。7時から学校の外周10周約6キロを走り、筋トレも繰り返した。放課後は4時間の練習だが、宮野の集中が切れそうになると同監督が声をかけ、集中を持続させた。経験不足を解消しながら体力と気力もアップ。宮野は「きつい時に全力でやった」と話した。
昨年の栃木国体・少年男子組手で、帝京長岡の水野朝陽(現近大1年)が優勝した。宮野は同校の連覇も担っている。山口監督は「優勝できるだけの素質はある」。国体への準備を整えた2年生はチームスローガンで意気込みを表現した。「真っ向勝負」。宮野は持ち前の積極攻撃で頂点に挑む。【涌井幹雄】
◆宮野煌大(みやの・こうた)2006年(平18)4月30日生まれ、新潟・燕市出身。燕北中出身。空手を始めたのは真幼稚園の年中組から。2段。3月の全国選抜(福岡)では団体、個人とも8強。171センチ、70キロ。血液型O。
○…少年女子組手の中島は「(高校)最後の大会。県の代表を自覚してやりたい」と話した。入学時は1人だけの女子部員として奮闘。ヘルニア手前の腰痛にも悩まされて約半年間、練習できない時期もあった。積んできた苦労は戦術にも表れる。山口監督は「我慢強い。粘り強い」と試合ぶりを話す。インターハイは2回戦止まりも、得意な「刻み突き」を決めた。敗戦の悔しさと同時に、満足感も味わった。「国体は出し切る。『やり切った』という思いを味わって終わりたい」。中島は完全燃焼を誓った。


