連覇を目指すNECが、逆転勝ちで開幕2連勝を飾った。

ホームアリーナで、昨季7位の日立Astemoを3-1(16-25、30-28、26-24、25-21)で退けた。

この日のMVPを獲得したのは、今年4月に正式加入し、日本代表のBチームにも選出された159センチのセッター中川つかさ(23)だった。先月まで行われたパリ・オリンピック(五輪)予選W杯バレーで日本代表主将を務めたアウトサイドヒッター(OH)の古賀紗理那(27)が徹底マークにあい、アタック決定率25・5%に抑えられる中、途中出場で流れを変えた。

1-1で迎えた第3セット(S)、立ち上がりに4連続失点した場面で、ローテーションに入った。「途中からだったけど、スパイカーの高打点を引き出すことが私の求められていること」と、自身の役割に徹した。正確なトスワークで、中盤の5連続得点などをアシスト。このSは1度はセットポイントを握られながらも、終盤に調子の上がらなかった古賀の2連続アタックを引き出すなど、26-24で取りきった。

続く第4Sもスタートから出場すると、苦しい場面も乗り切り、最後は相手のミスで勝負を決めた。逆転勝利を引き寄せる活躍。「勝てたのが良かった」と、大仕事に安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

金蘭会高では春高バレーを18、19年と連覇。東海大では1年時からレギュラーを張り、主将を務めた4年時には春・秋リーグ、東日本、全日本インカレを制して4冠を達成した。そして。東海大在学中の今年1月に卒業を待たずに公式戦に出場できる内定選手としてNECへ加入。1季目の昨季から優勝を経験し、今夏は初めて日本代表にも登録された。

今季の代表ではアジア選手権、アジア競技大会、ユニバーシアードの3大会を経験。「日本人同士じゃなくて、国際大会はすごく違ったものを見ることができた」と、手応えを得た。チームの金子監督が「サイズ的に小さいハンディはあるが、試合に出しても心配していない」と信頼を寄せる存在。日の丸を背負い、指揮官は「もともと技術もメンタルも非常に高い選手だが、どんどん上がっていると思う」と、成長ぶりに目を細めた。

中川にとって、Vリーグでフルシーズン戦うのは今季が初めて。「試合に出る出ないにかかわらず、しっかりスパイカーとコンビを合わせるとかディフェンスで貢献するとか、シーズンを通して頑張っていきたい」と、着実なステップアップを見据えている。世代を代表するセッターが、日本を代表するセッターへ駆け上がる。