全勝で迎えた天理大は、プロップ松野楓舞(ふうま、3年=松山聖陵)の2トライの活躍で、開幕からの連勝を「6」に伸ばした。

松野は前半6分、チームが中央を押し込んだところで、隙を見て自ら持ち出してトライを決めた。「みんながゲインしてくれてゴール前まで行けた。(FWがラックからボールを拾ってそのまま持ち込む)ピック(アンド)ゴーは高校の時から得意だったので、流れに乗せるために行きました」。

21-6で迎えた後半34分には、走り込んだスペースで受けて2つ目のトライを決めた。

167センチと高さはないが、マイナスとは捉えていない。「でかい相手が多いけど、自分はちっちゃい分、下から突き上げたり、下から抑え込むプレーが得意。そこが一番の強みだと思います」。ウエートトレーニングをこなすだけでなく「低さを維持するために体幹を鍛えること、姿勢の作り方を、人より頑張っています」と、自身のサイズを生かすための努力を続けてきた。

この日は選出されたことがない「プレーヤーオブザマッチ」への期待が高まり、発表前には自身も「実は結構ドキドキしてました(笑い)」と期待した。受賞者はチームメートのNO8パトリック・ヴァカタ(3年=日本航空石川)になったが、充実のパフォーマンスだったからこその楽しみだった。

ラグビーを始めたのは高1からで、中学までは柔道とバスケットボールで汗を流した。ラグビーへの転向は父親の影響に加えて「男なら強くありたい」という考えから。実際にプレーしてみると「相手が飛んだ時とか、タックルで相手をひっくり返した時に快感だった。一番自分に合っていると思った」と魅了され、のめり込んだ。

天理大では、小松節夫監督(60)から「スクラムが強くて、器用にトライも取れる。小さいけど、おもしろいプレーヤーだと思う」と評価を受け、1年時から出場機会を得てきた。しかし、関西では2季連続で京産大に屈してきた。それだけに最終節の12月2日京産大戦への思いは強い。「まずは関西1位奪還をクリアした上で、日本一目指して頑張りたい」。

小さなプロップは、3季ぶりの関西制覇とその先の全国大学選手権に向けて、これからもチームと相手を突き上げていく。【永田淳】