【エスポー(フィンランド)=藤塚大輔】ショートプログラム(SP)首位発進の三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)がGPシリーズ初優勝を飾った。フリー2位の181・02点で合計274・56点をマーク。2季連続のファイナル(12月7~10日、中国・北京)進出を決めた。昨季は同シリーズで首位発進した2戦はともにフリーで逆転を許したが、その雪辱も果たした。佐藤駿はフリー1位の182・93点で合計274・34点とし、2位に入った。
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三浦は即決した。直前の佐藤の演技を見終えると「やめます」と宣言した。最終組6人で滑る6分間練習の最後に転倒していた4回転ループを構成から外す決断。「勝ちにいく。できることをやろう」。見切り発車ではない。「2パターン練習している」と冷静だった。
その判断が奏功した。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)-3回転サルコーの連続ジャンプを2・17点の加点で決めた。「1つのミスで絶対に負ける」と緊張で足が震えたが、その後も6本のジャンプを全て成功。事前に2つの構成を用意したことで「ジャンプは落ち着いてできた」と胸を張った。
昨季のGPシリーズでは首位発進した2試合とも、フリーで逆転を許した。この日も同じく追われる立場。ただ、朝7時半過ぎから始まった35分の公式練習では余裕があった。同組のケビン・エイモズ(フランス)がフリー曲を通しで滑りだすと、視線を集中。演技が終わると、リンクの端で人知れず拍手を送った。「僕、ケビン選手のファンで。一緒になるのがすごく楽しみで」。試合への高揚感をかみしめるほど、心は落ち着いていた。
冷静な判断と心の余裕でつかんだ初Vに「脳から汁が出る演技だった」と笑った。一方、レベルの取りこぼしが目立ったスピンに関しては、報道陣に向かって「ここを大きく(記事に)載せて下さい」と猛省を強調した。昨年5位に終わったファイナルで成長の跡を示す。「スピンがちゃんとできれば、SP100、フリー195点は絶対出る」。慢心することなく、2度目の舞台へ進む。


