改革は0合目…!? 日大が4日、違法薬物事件を起こしたアメリカンフットボール部の存廃や大学の改善計画に関する会見を都内で開き、林真理子理事長(69)が8月8日以来118日ぶりに登壇した。先月学内で承認し、文科省に提出した「廃部の方針」について「継続審議」と表明。引責辞任も否定した。2時間44分に及んだ質疑応答は具体性を欠き「分かりかねます」を連発し、存廃の是非は答えず、富士山登頂に例えた改革の達成度については「富士吉田駅に着いた」との珍回答で後退を認めた。

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同席した久保利弁護士のド派手ネクタイとは対照的に、林理事長の発信力は乏しかった。存廃について私見を問われると「私の考えはご容赦を」と用意していたかのような回答で明言を避け、文科省に提出した文書に自身の名義で「廃部の方針を承認」と明記しながら「1つの方針」に過ぎないと主張。学内の競技スポーツ運営委員会、常務理事会を通過した廃部の考えを軽視した。

引責辞任も否定した。酒井学長、沢田副学長の辞任は決まった一方、自身は減給50%(6カ月)止まり。「何度か考えたこともございますけれども、まだ改革途中。詳しくここでお話しするつもりはございません」と明かさず、存続か廃部かの決定時期やプロセスにも、人ごとのように「分かりかねます」と連発した。

現役日大生からも「薬物問題以外で(大学幹部)体制の問題とかいろいろな問題が出てきて、正直あきれる気持ち。解決の糸口は」と質問を受ける始末。「アメフト問題がこのように広まり、いろいろな案件を引き起こすとは思わなかった。私の認識が甘かった」と危機意識の欠如を認めた。

改革の到達度を問われると迷言を残した。7月の就任1周年では、富士山登頂になぞらえ「6合目」としていたが、薬物問題発覚後の8月には「かなり後ずさり」。この日は「富士吉田の駅に着いたところ。5合目まで行くバスにも乗ってない。分かります? 中央線で富士山に登る時の駅…」と失笑を誘い「0合目」以前の振り出しとした。

午後4時から始まった会見は同6時44分に終了。「日大の学生スポーツを変えれば、日本の学生スポーツを変えられる」など、林理事長の164分間に具体性はなかった。むしろ、調査・再発防止策検討委員会の益子俊志委員長の、廃部方針に至った理由説明で歯切れの良さが際立つ。「部の単独寮で、集団的・常習的と疑われる犯罪。1人や2人とは考えにくい。部を継続させれば学生の安全を担保できないという結論に至った。断腸の思い」。連帯責任論には当たらないとの認識まで明確に打ち出された。

改善計画では「競技スポーツ部を廃止」し「競技スポーツセンターの新設を検討」と高らかに宣言も、競技スポーツ部は5年前の「悪質タックル問題」後に発足したばかり。実効性はなかった。関係者によると、その廃止が決まった同部は6日、アメフト部員向けに初の説明会を開く。この日より具体的な話が出るのか、期待できそうにない。【木下淳】