【北京=藤塚大輔】ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(23=シスメックス)が初優勝を飾った。フリーもトップの148・35点をマークし、合計225・70点。4大陸選手権、世界選手権を合わせた国際スケート連盟(ISU)主催3大会での金メダル獲得は、浅田真央に続く日本女子2人目となった。吉田陽菜(木下アカデミー)は3位、住吉りをん(オリエンタルバイオ/明大)は6位。

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最終順位を見つめ、歓声を受けた坂本はこらえられなかった。目に浮かんだ涙をティッシュで拭った。「ちょっと、う~っときました」。気持ちを落ち着かせ、進んだ取材エリア。ISU主催3大会制覇が浅田以来と聞くと「え、すごっ! 誰でしょう、私」といつもの明るい声を響かせた。

「そこしかない!」。そう振り返ったのが、4本目の3回転フリップだった。着氷が乱れ、予定していた2回転トーループがつけられない。リンクサイドの中野園子コーチも思わず目を丸くしたが、当の本人は冷静だった。すぐに単独ジャンプ予定の最終7本目の3回転ループを連続ジャンプに切り替えた。「不安はなかった」と、しっかり2回転トーループをつけた。

「やっぱり0・01点でも負けは負けだし、勝ちは勝ち。1個ジャンプを跳ぶか跳ばないかで、本当に大きく点数も順位も変わる」

2位のヘンドリックスとは結果的に22・34点差がついた。それでも世界女王は“0・01点の可能性”を考える。GPシリーズ第5戦フィンランド大会の女子フリー。自身初の同一シーズン連勝を達成したが、表現面などを示す演技構成点が3項目全てで8点台だった。「思い切ってできていない」と真っ先に反省。そしてこの日は、全てで9点台をマークした。「やっと9点台。良い傾向かな」とほほ笑む姿に、僅差を求める姿勢がのぞいた。

これまでGPファイナルは18年4位、昨年は5位だったが、今季はGPシリーズ2戦を含めた3連勝を達成。次の照準は全日本選手権(20~24日、長野)となる。4本目のジャンプの失敗を「あそこだけ」と省みた上で「いい課題が残ったんじゃないかなと思います」と言った。3連覇が懸かる日本最高峰の舞台でも、わずかな成長を追い求めていく。

■吉田陽菜3位 得意フリー堂々

初出場の吉田は銅メダルに輝いた。ジャンプでミスが続いたSPから打って変わり、冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を耐えて着氷。その後も大きなミスなく堂々たる演技を披露した。「フリーは自分の強い部分」と強い気持ちで臨んだことが得点に結びつき「夢の舞台。うれしい気持ちをかみしめながら滑ることができた」と笑った。

■初出場で6位の住吉

「(失敗した4回転)トーループ以外の部分をまとめられたことがすごく自分の成長になった。経験値がすごく上がった試合になった」

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