第103回全国高校ラグビー大会が27日に大阪・花園ラグビー場で開幕する。番狂わせが起きづらいとされるラグビーにおいて、今大会では新しい動きも見られる。「高校ラグビー地殻変動」と題し、新たな歴史を刻む3校を連載で紹介する。第1回は今大会から認められた合同チームで、初めての花園切符をつかんだ若狭東・敦賀工(福井)の融合について取り上げる。

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今大会から出場が可能になった複数校による合同チーム。唯一花園への切符をつかんだのが、若狭東・敦賀工の合同チームだ。

福井にラグビー部がある高校は3校。若狭東は7大会連続で花園に出場する常連校。ただ今年1月の新チーム結成時に部員が15人に満たなかった。一方、敦賀工は昨年、部員が足りず大会に出場できなかった。

そんな折、規約が変わった。

敦賀工の浜野悠人(3年)は昨年10月に「ラグビーをやろう」と藤原幹治監督に誘われて部員になった。同監督と1対1で練習していると、若狭東から「一緒に練習をやろう」と声が上がった。規約では部員が14人以下の学校で組むことになっているが、若狭東の朽木雅文監督が掛け合い、特例が認められて、2月から練習をともに始めた。現在は若狭東22人、敦賀工3人でチームを編成している。

両校の距離は約40キロ。毎日一緒に練習することはできず、敦賀工のメンバーは、週末になると藤原監督に付き添われて、通った。当初はなかなか意思疎通する機会もなく、体力面でも、トレーニングで浜野がヘロヘロになってしまうところもあった。それでも、若狭東のPR若泉裕太主将(3年)は「しゃべりかけて、チームの仲は深まっていきました」。積極的にコミュニケーションを取ることで、結束を深めた。

人数が少なく、体格のいい選手がいるわけでもない。セットプレーやモールを強化することも難しい中で、朽木監督の指導のもと、スペースを見つけてボールを動かすという練習を繰り返した。11月の福井大会は1試合のみで、若狭に22-10で勝ち、合同チームとして初の花園切符を手にした。若泉主将は「助け合いながらやってきたので、一緒に花園に出られてうれしい」と喜んだ。

27日の初戦は4大会連続22回目の出場となる強豪、目黒学院(東京第2)と対戦する。若泉主将は「全国初の合同チームで出る。注目されるのはありがたいし、皆さんに『合同チームもできるんだぞ』っていうのを見せつけたい」。合同チームの初出場に続く目標は花園1勝だ。【阪口孝志】

◆合同チーム 高体連は少子化による部員減に伴って本年度からラグビーやバスケットボールなど9競技で合同チームの全国大会出場を可能とした。ラグビーは部員数が14人以下の学校同士で25人を上限に編成。構成する学校数に制限はない。これまでの合同チームは統廃合前の2年間限りだった。大会実行委員会によると地方予選の参加チーム数は過去最多だった91-92年大会の1490から、11-12年大会の818、今回は549と減少している。