【パリ7日(日本時間8日)=阿部健吾、松本航、佐藤成、木下淳】待ち焦がれた銀、花の都で。フィギュアスケートの2022年北京冬季オリンピック(五輪)団体メンバーが、当地のトロカデロ庭園に設けられた夏季パリ五輪のセレモニー会場「チャンピオンズ・パーク」でメダル授与式が行われ、ついに女子の坂本花織(シスメックス)たちの手に銀メダルが渡った。

ROC(ロシア・オリンピック委員会)女子カミラ・ワリエワのドーピング違反で3位から2位に繰り上がるまでの確定に時間がかかり、実に2年半も実施が見送られていた。

日程の都合で宇野昌磨さんは欠席したが、女子の樋口新葉(ノエビア)男子の鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)ペアの「りくりゅう」三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)とアイスダンスで今年引退した小松原美里さん、尊がパリに集結。坂本は「このメンバーで(メダルを)もらえて、あらためて分かち合えたのが、すごくうれしかった。2年半前の喜びを新鮮な気持ちで感じられたのでうれしかった」と笑みをはじけさせていた。

鍵山は、会場に来られなかった宇野さんの思いもはせて授与式に臨んだことを明かし「このメンバーでのメダルは人生に1度。すごく幸せな気持ちと大きな感謝の気持ちがあるので、うれしく思います」と語った。

2年半前の北京五輪はコロナ禍のため、無観客での開催だった。今回は、エッフェル塔をバックにチアリフトを披露するなど、大歓声で祝福された。坂本は「登場する直前、全員が変なテンションですごくハイになっていた」と笑い、鍵山も「フィギュアではあまり聞かない迫力。個人戦よりも、すごくいい笑顔が出たんじゃないかなと思います(笑い)。すごく幸せですし、いいと思います」と振り返った。

2年半前、メダルを授与されないまま帰ってきた時は「どこかもやもやした」という感情だった樋口も、この日は笑顔が弾けた。「たくさんのお客さんの前でメダル授与式を開いていただいたことが、すごくうれしかったです」と感慨に浸った。

ペアの三浦は「みんなの努力がメダルの形になってすごくうれしい」と北京時を思い返し、木原も「パリでメダルをいただいて心の底からうれしく思いましたし、皆さんと喜びを分かち合えた」とうなずいた。

今年引退した美里さんは「経験、知識、得たものを次世代に渡していけるように身が引き締まりました」と背筋を伸ばし、尊は「1度も自分の人生で考えられなかった。実際に家族と支えてくださった方々、応援できたこと、心の底から感謝を伝えたい」とかみしめていた。

7月25日に日本の銀メダルと、当時2位だった米国の「金」への繰り上げが確定。国際オリンピック委員会(IOC)は日米のメダリストを夏季五輪開催中のパリに招待した。日本は、宇野さんとも思いを共有するため「SHOMA」など名前を指に記して授与式に臨んでいた。