柔道男子100キロ級の21年東京オリンピック(五輪)金メダリスト、今夏パリ五輪は7位のウルフ・アロン(28)が、来年6月の現役引退を公の場では初めて明言した。

2日、出身の東京・葛飾区役所に青木克徳区長を表敬訪問。昨年4月から所属するパーク24が日本一を目指している、来年6月の全日本実業団体対抗大会を最後に第一線から退く意向を明らかにした。

母校の東京・葛飾区立小松南小も訪問した後、区庁舎で取材に応じ「悔いはないです。あったら引退しない。最後は来年6月(実業団体対抗)と決めている」と断言した。登録11・1万人まで伸びた自身のYouTubeチャンネルでは表明していたが、来月15日から佐賀県で開催される国民スポーツ大会(旧国体)に同県代表として出場し、日本代表としては12月7日から2日間のグランドスラム東京大会を最後に勇退する決断を下した。

2大会を経験し、前回3年前は金メダルに輝いた五輪については、パリの敗者復活戦で敗れた後、取材エリアでは「もうこれ以上、続けるつもりはない」と言い切っていた。19年以来の優勝を狙い今春の再挑戦も模索していた、体重無差別で日本一を争う全日本選手権(来年4月29日、日本武道館)への出場も視野に入っていないという。

引退後に関しては「おいおい」を繰り返し、すぐ指導者に転じる考えは否定。「決めかねている」と柔道界のために熟考していく構えを見せた。

パリ五輪では、個人で連覇を逃したが「やり残しはない」と、すがすがしかった。混合団体は銀メダル。フランスのリネールと対戦する可能性があった決勝こそ出番を斉藤立(22=JESグループ)に譲ったが、準決勝まで出場して貢献した。そこを、世界最高峰の舞台を区切りとしなかったのは「海外ではなく(ファンや恩人らが大勢観戦できる)日本での試合を最後にしたかった」と律義一面も見せていた。【木下淳】