フィギュアスケート男子で3月の世界選手権銅メダルの鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)が、“原点回帰”で26年ミラノ・コルティナ五輪の頂点を目指す。9日、拠点とする愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで練習を公開。フリー「トゥーランドット」の一部を初披露し、同プログラムで06年トリノ五輪を制した荒川静香さんの代名詞「イナバウアー」を織り込むことも明言。「楽しむ心」を蘇らせ、勝負のシーズンに挑む。
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1時間弱の氷上練習を終えた鍵山の顔は、自信と活気に満ちあふれていた。
「楽しく練習できている。そこは、昨季とは違うところ」。新ショートプログラム(SP)「I Wish」の曲かけ練習では、4回転-3回転の連続トーループや4回転フリップを軽やかに着氷。フリーに選んだ名作オペラ「トゥーランドット」は、「一番クオリティーの高い部分」という終盤のステップシークエンスから両手を広げるフィニッシュポーズまでをお披露目した。同演目でトリノ五輪を制した荒川さんの代名詞「イナバウアー」も、「やります」と即答。「すごく自信が持てる、モチベーションになる作品」。4分は、納得の出来に仕上がった。
26年ミラノ・コルティナ五輪を迎える今季。3月の世界選手権後の話し合いで、父の正和コーチと合致したテーマはシンプルだった。原点回帰。「毎日好きという気持ちを忘れずに過ごしたい」と笑う。昨季は好不調の波に苦しんだ。4回転全種を組み込む世界王者マリニン(米国)らを意識して結果を求めすぎたあまり「変な方向に行っていた」と本来の自分を見失った。「楽しいだけだった」というのは、18歳で銀メダルに輝いた22年北京五輪。「人生で最強だった」あの時の感情を呼び起こし「自分らしさ」で勝負をかける。
らしさとは、幼い頃から持ち味とする豊かな表現力とスケーティングスキル。今季序盤は演技の完成度を追求するため、フリーは大技を外してトーループとサルコーの4回転2種3本の構成で臨む。「音楽に負けないよう表現を極めたい。人の心を動かすようなプログラムにしたい」。フィギュアの採点は、ジャンプなどを評価する技術点と表現力などを評価する演技構成点の2つからなる。今季こわだるのは、後者。「9点台後半から(満点の)10点」と目標を設定。誰にもまねできない「優真スペシャル」で突き抜ける。
その先に、五輪の頂がある。「銀の次は金しかないので」。来季以降のことは考えない。集大成の気持ちで、エースは我が道を行く。【勝部晃多】


