ラグビー界に激震が走った。リーグワン2部のNECグリーンロケッツ(東葛)が20日、25-26年シーズン終了後のリーグワン退会を前提とし、チームの譲渡に向けた検討を開始したと発表した。日本選手権優勝3度を誇るチームだが、日本電気株式会社(NEC)が決断。午後1時からは、リーグワンの東海林一専務理事が取材に応じた。
◇ ◇ ◇
創設5季目のシーズンを前に、リーグワンに厳しい現実が突きつけられた。
NECはこの日配信したリリース内で「従業員の一体感醸成や士気高揚を目的に、文化体育活動の一環として『NECグリーンロケッツ東葛』を運営してきましたが、近年ラグビーを取り巻く環境が大きく変化する中、NECにおけるチームの位置づけを慎重かつ多面的に検討した結果、NECが中長期にわたり持続可能な形でチームをさらに発展させていくことは困難と判断しました」と記した。
リーグワンでは創設1季目を終えた22年に宗像サニックスブルースが事実上の廃部。厳しい経営環境が主な理由となったが、NECの直近の業績は好調といえる。東海林専務理事も「理解として、会社の業績と今回のご判断が結び付いているものではないと認識しています。NEC側からの説明で退会の理由は、事業ポートフォリオの見直しを進めている中で、継続する意味合いを十分に見いだせず、譲渡を検討することと認識しています」と受け止めた。
「あなたの街から、世界最高をつくろう。」とビジョンを掲げるリーグワンだが、1~3部に属する各チームの規模感、スタンスは異なる。他競技に比べて保有選手、スタッフ数が多いことから人件費高騰はいなめず、興行としてはウェルフェアの観点から一定の試合間隔が求められるなど、事業面におけるハードルは高い。各チームの足並みをそろえることは難しく、東海林専務理事もこの日「世界最強レベルを目指して発展していくチーム、地域に根差して活動していくチーム、企業とは一定の距離感を持って発展していくチーム、企業と共に発展していくチーム…。そうした幅広い価値観、ありかたがリーグワンとして必要。これまでもそうした点でリーグの運営を図ってきたが、より明確化して進めることは必要です。参加するチームが減らない、維持拡大していくために、こうした考え方で進んでいきたいと思っています」と課題を示した。
NECからは約1年前にリーグワンへとチームのあり方の相談があり「コスト削減での保有」「譲渡」「退会」と、大きく3つの選択肢から意見交換をしてきたという。
譲渡に関しては既存戦力の7~8割の維持が指標となり、退会の場合はシーズン開幕1年前に申請し、理事会の承認を得ることが原則で、1つの目安が25年12月となる。譲渡先は日本で法人格を持っていることが条件であり、ホストスタジアムの要件などを満たせば、現在東葛がホストタウンとする千葉県東葛エリアでなくても問題ない。
譲渡が実現した場合、新しい保有者のチームは原則として東葛の地位を継承するといい、25-26年シーズンを2部で終えた場合は、新チームも2部からの始動となる。【松本航】


