柔道男子66キロ級で21年東京、24年パリ五輪(オリンピック)2連覇の阿部一二三(28)と、女子52キロ級で東京大会金メダルの詩(25=ともにパーク24)兄妹が「米国3カ年キャンプ」を敢行した。史上唯一きょうだい同日Vの再現を狙う28年ロサンゼルス五輪へ。同じ地、同じ夏、米カリフォルニア合宿を3年連続で行う計画の第1弾。「この場所で『2人で』優勝したい」と決意を新たにした瞬間に、日刊スポーツが独占密着した現地リポート〈後編〉をお届けする。【取材・構成=飯岡大暉】

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(5)初の感情 詩は昨夏、さらなる強さを身にまとうための経験をした。パリ五輪で2連覇を狙ったが、まさかの2回戦敗退。再起した今年6月の世界選手権では出場大会3連覇を果たし「世界一」の称号を取り戻した。反対に一二三は、妹の無念も背負ってパリでV2も、世界選手権では衝撃の準々決勝敗退。個人戦では2119日ぶりとなる敗戦を喫したが「ロス五輪に向けて恐ろしく強くなれる」と、むしろ向上心を刺激された。高いモチベーションで米国合宿も迎えられた。

「2人で優勝したい思いは、お互い変わらない」。そう口をそろえ、本番会場のLAコンベンションセンターも見学。外観ではあったが、全米で最大の多目的施設を目に焼きつけた。「ビビりましたね。ここで柔道するんだ、って」と武者震いの一二三。東京五輪の再現へ、湧き上がる思いもある。「やっぱり、この場所で『2人で』優勝したいですよね」。詩も「2人で勝って気持ち良くハンバーガーを食べたい」と早くも想像を具体化した。合宿は26年も27年も行う予定の3カ年計画。全ては28年7月16日に、またあの笑顔で、兄妹同時に、金メダルをそろえるために。(おわり)

阿部一二三&詩、なぜ五輪3年前にロサンゼルスへ…「すごくきつい」理由明かす/密着4