フォルティウスがSC軽井沢クラブを「吉村の指1本」差で破り、涙の、悲願の26年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)へ前進した。2勝2敗同士の最終戦で3勝目を挙げ、ロコ・ソラーレも含めた三つどもえを制して最終予選(12月、カナダ・ケロウナ)の日本代表に決定。五輪挑戦権を獲得した。
5-5で迎えた最終の第10エンド。最終ドローを、今回で5度目の五輪挑戦となるスキップ吉村紗也香(33)が、執念で決めた。
「この試合、入る前に全員で勝つ時のイメージをしていたんですけど、それがアウトターンのドローで勝つイメージで。『自分はできる』って、思いっ切り投げました。緊張が自分の中では高くて、おなかが痛くなったりしましたけど、最後、決め切れました」
その数センチ差は、相手リード金井亜翠香(24)によると「指1、2本分」。過去3度の代表戦で悲痛な涙を流してきた吉村が、最後は「指1本」の差で夢への道を切り開いた。
今大会も2度の崖っぷちから、はい上がった。1次リーグで開幕2連敗から2連勝。負けたら終戦、後がない背水の状況から2大会連続五輪代表のロコ・ソラーレとのタイブレークに持ち込み、勝ち切った。
軽井との決勝でも先勝を許したが、またも負けたら終わりの境界線から2連勝で、代表切符をもぎ取ってみせた。
18年平昌五輪は前年の日本選手権で4位に終わり、前回22年の北京五輪はロコ・ソラーレとの代表決定戦で逆転負けし、この地で2大会連続で、夢舞台のチケットを逃した。積もりに積もった借りを返す代表決定に、吉村は涙を隠せない。
「この大会で自信になりましたし、世界最終予選に向かうに当たって、自分にもチームにもプラス。五輪に出たいという強い気持ちを全員が持っていた。4年前、ここで負けてスタートを切る時、それぞれが強い覚悟を持っていたので。私たちの目標である五輪で金メダルに、向かっていきたいと思います」
魂の最終投で宿願成就。指1本分の執念が、劇的ドラマの最終ページを、ハッピーエンド側に指さした。


