フィギュアスケート女子で4大陸選手権と全日本選手権で優勝2度を誇る紀平梨花(23=トヨタ自動車)が29日、アイスダンス挑戦を電撃表明し、拠点のカナダからオンライン記者会見を行った。

アイスダンサーとして4大陸選手権やグランプリ(GP)シリーズに出場経験のある西山真瑚(しんご、23=オリエンタルバイオ)とカップルを結成。西山とともに正午から質疑応答に対応し、紀平は「これまでのシングルの人生からは、考えてもいなかったような形になっています。アイスダンスということで楽しめていて、これからワクワクする大きなチャレンジになる。全力で頑張っていきたいと思っています」と意気込んだ。

愛称は「シンキヒラ」などの候補もあった中、2人そろって“りかしん”を希望し、西山も「それが一番しっくりくると思います」とほほ笑んだ。

今月下旬から練習を始めており「シングルでは組むことがなかったので、最初の2人での練習ではこけました」と紀平は苦笑いしながらも、既にプログラムはリズムダンス(RD)が「Mambo No.5」に、フリーダンス(FD)は「もののけ姫」に決めたという。

パートナーとなる西山はジュニア時代からアイスダンサーとして活躍。直近では田中梓沙(19)とカップルを組み、“あずしん”と親しまれる2人でミラノ・コルティナ五輪を目指していた。だが、今季に突入した直後の7月11日に解散を発表していた。

西山は2人で目標とする舞台に向けて「自分たちの中で今、結成を発表させてもらって、オリンピックっていうのは、自分たちにとってのアスリートの夢の舞台。自分たちも(これまで)そこに向けてやってきた。頑張っていこうと思っています」。フランスのアルプス地域で開かれる30年五輪を軸に据えながらも、最短で可能性があるミラノ五輪も諦めないといい、紀平は「可能性がある限り」と力を込めた。

今後は西日本選手権(10月31日~11月3日、滋賀・大津市)と兼ねて行われる、全日本選手権(12月、東京・渋谷区)のアイスダンス予選会に出場する。

アイスダンスは男女2人1組で滑る種目でジャンプがなく、スケーティングやリフト、表現などを極めていく。シングルの実力者では10年バンクーバー五輪男子銅メダル、世界選手権優勝の高橋大輔(39)が挑戦し、村元哉中(32)との“かなだい”で22年北京五輪出場を目指したことが話題となっていた。

“りかしん”で、五輪への挑戦が始まる。【松本航】

◆紀平梨花(きひら・りか)2002年(平14)7月21日、兵庫・西宮市生まれ。4歳で競技を始める。15年に全日本ノービス選手権Aで優勝。17年全日本ジュニア選手権、18年GPファイナルも制覇。4大陸選手権、全日本選手権ともに19、20年と2連覇。21年に羽生結弦らと同じカナダ・クリケットクラブへ拠点を移す。155センチ。

◆西山真瑚(にしやま・しんご)2002年(平14)1月24日、東京都生まれ。6歳で競技を始め、12年に全日本ノービス選手権Bで優勝。中学3年の16年1月にカナダ・クリケットクラブへ拠点を移す。高校1年で3回転半を跳ぶも、右足首負傷や腰の疲労骨折に苦しんだ。そのリハビリ中にアイスダンスの魅力を知る好機に多く恵まれ、転向を決断。英ロイヤル・バレエ団に所属するプリンシパル(トップ階級)のバレリーナ高田茜は母方の親戚。173センチ。