柔道女子48キロ級の09年世界女王で昨年ロンドン五輪5位の福見友子(27)が15日、職員として所属する千葉・浦安の了徳寺学園で引退を発表した。同五輪前に五輪後の引退を決めていたが「本当にこれでいいのかと気持ちにケリをつけるのに時間がかかり」(福見)この日の発表になった。

 高2の02年選抜体重別で谷(当時田村)の連勝を65で止める衝撃デビュー。07年にも勝ったが、北京五輪選考は実績重視で漏れた。世界女王後も2年連続で浅見に決勝で敗れるなど、悲運もつきまとったが「厳しいことを経験して今の自分がある。弱い自分を受け入れつつ、必ず五輪に行くと自分を信じていた」と充実感をにじませた。

 不祥事にある全日本柔道連盟から女子代表コーチ就任を要請された。「力になりたい思いはある」と話すが、経験不足から断った。「指導者として経験を重ね視野を広げ、自分に自信を持てるようになったらチャレンジしたい」。その準備も始めた。了徳寺学園と出身の筑波大に加え、ロシア女子代表からの誘いを受け3月上旬には現地で指導を始めた。私生活でも、1歳年上の一般男性と年内にも結婚の運びとなりそう。第2の人生でも花を咲かす。【渡辺佳彦】

 ◆福見友子

 ふくみ・ともこ。1985年(昭60)6月26日、茨城県土浦市生まれ。7歳から柔道を始める。土浦日大高2年時の02年選抜体重別で、当時対日本人12年間無敗の谷(当時田村)亮子を破り注目を集めた。07年も同大会で谷を破り谷に公式戦2勝した唯一の選手。09年世界選手権優勝、12年ロンドン五輪5位。得意技は背負い投げ。家族は母早苗さん、兄俊彦さん、姉千晴さん。157センチ。