国際バスケットボール連盟(FIBA)のパトリック・バウマン専務理事(46)が18日、日本協会(JBA)に異例の勧告をしたことを明かした。前日17日にJBA幹部と都内で会談を持ち、国内にナショナルリーグ(NBL)とbjリーグの2つのリーグがある状況などを早期に改善するよう通告。20年東京五輪での開催国枠での日本代表出場についても「検討する必要がある」と言及した。

 バウマン専務理事は都内の滞在先で、激しいジェスチャーも交えながらJBAへの懸念を表明した。「これまでもFIBAとして伝えてきたが、今回がラストチャンスだ。このままでは20年東京五輪に開催国として日本を出場させるかどうかも検討しなければいけない」。17日に都内でJBA幹部に会い、同様の警告を口頭で発した。極めて異例の対応だ。

 主に問題視するのはJBAがbjリーグを公認していることだ。05年開幕のbjは、FIBAの競技規則と異なる独自ルールを採用。コーチだけでなく、コート上でボールを持っている選手がタイムアウトを取ることなどを認めており、公認自体が「イリーガル(違法)」と主張した。09年にも国内に2つのリーグがある状況の改善を促したが、今年から統合を目指してNBLが発足しても、bjが存続する分裂状態は変わらず、「早急な解決がなければ、FIBAとして罰則も考える」と述べた。

 リーグ問題だけでなく、JBA現体制下での普及や強化活動にも「変わらなければならない。外部から人を連れてくることも必要だ」との見解も示した。06年には普及などを目的に日本で世界選手権を開催しながら、現時点まで成果が出ていないとして現状を列挙。五輪予選が免除になる開催国枠を、20年東京五輪では男女日本代表に適用しない可能性まで言及した。

 世界連盟が各国の競技団体に対し、ここまで改革を促すのは特例と言える。同専務理事は国際オリンピック委員会(IOC)委員でもある。7年後に向けて「最後通告」を突きつけた形となった。【阿部健吾】

 ◆日本のバスケットボールリーグ

 プロリーグ設置に積極的だった新潟と埼玉が05年にbjリーグを創設し、同4月にスーパーリーグを運営していた日本リーグ機構から脱退した。FIBAから09年に「1国1リーグが望ましい」との指摘を受け、1リーグ制への検討委員会を設置。統合を目指して今年9月にNBLは開幕したが、プロ化の問題などが難航し、bjリーグからの参加は千葉だけにとどまった。