<バドミントン:全日本総合選手権>◇第1日◇2日◇東京・代々木第2体育館

 スーパールーキーが、大会史上男女を通じて、最年少勝利を飾った。13歳で初出場した奈良岡功大(青森・浪岡中1年)が、昨年の高校総体シングルス準優勝、ダブルス優勝の保木卓朗(19)に、19-21、21-18、22-20のフルゲームで逆転勝ち。予選2回戦で敗れたが、12年に女子の山口茜が記録した、15歳5カ月の最年少勝利を大幅に更新した。日本協会によると、中学生の男子が勝ったのは史上初めて。

 残り2点で敗退まで追い込まれた予選初戦。その崖っぷちから、中学生が社会人相手に逆転勝利だ。最終ゲーム17-19から一気に3点連取。2度目のマッチポイントを決めると、奈良岡が左手を突き上げた。「うれしかった」。予選2回戦は「力不足。緊張した」と敗れたが、中学1年生が驚きの1勝を挙げた。

 プレースタイルは、ヘアピン(ネット際に落とす)などを多用し、相手を振り回す展開力で勝負する。課題は体力で、この日も、直前の海外遠征から続く連戦で、肩やひじを痛めており2回戦は「疲れた」。しかし、今年の3月までランドセルをしょっていた小学生。大健闘だった。

 父浩さん(44)が、練習する地元クラブの監督だ。親子の指導は難しく、浩さんは当初「やめさせたい」と、無理難題を押しつけた。小1から1回3000回の素振りを週2回課したが、4カ月間、まったく休まず難なくクリア。浩さんも、根負けした。

 趣味は「バドミントン」。好きな音楽も「ない」。休みの時は「部屋で壁打ち」で、ついに家の壁にシャトルで穴をあけた。年齢ごとに達成したいバドミントンの人生目標を36個決め、部屋の壁に貼ってある。その中に、「中1で全日本出場」もあった。

 男子日本代表の舛田圭太コーチも「次元が違う」と絶賛。練習試合で、全日本6連覇を果たした舛田コーチが敗れたこともあるという。36個の目標の頂点は「20年東京五輪での金メダル」。その快挙に、この日の1勝で大きく踏み出した。【吉松忠弘】

 ◆奈良岡功大(ならおか・こうだい)2001年(平13)6月30日、青森県青森市生まれ。父の影響で5歳でバドミントンを始め、11年の小4から13年の小6まで全国小学生の各年代で優勝。今年の全国中学生も制覇した。13年全日本ジュニア中学2年生以下を、初めて小学生で制した。171センチ、64キロ。家族は両親と妹。

 ◆最年少メモ

 過去、最年少で出場したのは、09年に男子予選シングルスに出場した桃田賢斗の15歳3カ月。男子の中学生として初の大会出場だったが、予選初戦で敗退。女子の山口茜は、中3の15歳5カ月で、12年大会に予選免除で本戦から出場。2回戦に進み、大会最年少勝利を達成した。中学生で出場したのは、あと09年大会の女子で奥原希望だけ。<主なスポーツ界の天才中学生>

 ◆中田久美(バレーボール)中3で代表入り。84年ロサンゼルス五輪で銅。

 ◆岩崎恭子(競泳)中2で92年バルセロナ五輪200メートル平泳ぎ金。

 ◆森本貴幸(サッカー)04年3月J初出場。同5月に初得点を決め、ともに15歳で最年少記録。

 ◆浅田真央(フィギュアスケート)中3の05年にGPファイナルで優勝。

 ◆高梨沙羅(ノルディックスキージャンプ)12年、中3でW杯スキー日本人最年少優勝。

 ◆平野歩夢(スノーボードHP)中3の14年ソチ五輪で銀。冬季日本人最年少。