<フィギュアスケート:全日本選手権>◇最終日◇28日◇長野市ビッグハット

 全日本ジュニア選手権を制した13歳の樋口新葉(日本橋女学館中)が181・82点で3位と健闘した。

 戦後では72年大会の渡部絵美以来42年ぶり2人目の13歳での優勝を狙った樋口は、「緊張です」と何度も繰り返した。演技後は足に力が入らずにフラフラ状態。1人で立てず、岡島コーチに支えられ、取材も椅子が必要に。「緊張しすぎて足がすくんでます。持っている力を全部出し切れずに悔しい」と顔を曇らせた。

 冒頭、得意の3回転ルッツが1回転に。動かない足。それでも必死に持ち味のスピード感を絞り出す。「ジェット噴射が付いているよう」と形容される最大の武器が後半に進むにつれ衰えても、なんとかジャンプは回る。2回目のルッツは「跳ばないと、どうしようもない」と成功。意地を見せた。

 11月の全日本ジュニア選手権に浅田、安藤と同じ中2で優勝し、一気に注目が高まった。「カメラがきた時は緊張する」と戸惑いもあった。その中で、悔しさはあるが堂々の3位。平昌五輪のエース候補の「ジェット娘」。花束を拾うフラワーガールを務めた昨年大会から1年、「花束を投げてもらえるのはすごくうれしい」と最後は笑った。