全国高校ラグビーは5日、東大阪市の花園ラグビー場で準決勝2試合が行われる。2年ぶり4強のAシード桐蔭学園(神奈川)は4日、Bシード大阪朝鮮高(大阪第3)との対戦に向け、神戸市内で約2時間の練習を行った。右ロック白石勘太郎(3年)を筆頭に成績優秀な部員が多く、初対戦となる相手の攻略法を研究。IDラグビーで、準優勝した05年度以来2度目の決勝進出に挑む。

 桐蔭学園の3年生27人中11人が、国立大学の医学部など難関校を目指す生徒が多い理数科に在席している。その頭脳プレー集団の中心にいるのが、理数科トップクラスの成績を誇る186センチのロック白石だ。この日の練習でも、ラインアウトリーダーとして的確な指示を送っていた。「相手の動きに合わせてリアクションを決める」と、試合中に相手の陣形を見て状況判断するのが得意。3日の準々決勝の常翔学園戦では得点につながるターンオーバーを演出した。

 白石は数学が得意で、11月末の大手予備校の東大模試では全国70位に入った。16、17日のセンター試験に向けて宿舎でも毎日勉強している。藤原監督は「よく試合のビデオを見たがる。分析していると思う」と評価する。この日練習に駆けつけた、OBで日本代表経験もある神戸製鋼のSH後藤翔太(26)も「ラグビーはやっぱり頭」と話した。

 激しいプレーで接戦をしぶとく制してきた大阪朝鮮高とは初対戦。白石はもちろんビデオで研究済みだ。「60分間集中力を切らさず、相手にプレッシャーをかけたい」。準々決勝のように華麗なターンオーバーで勝機をつくれば、4年ぶりの決勝への扉が開くはずだ。【鎌田良美】