明大が22-17で天理大に勝利し、96年度以来22大会ぶり13度目の復活優勝を果たした。

ともに3トライずつを奪い合う激闘も、粘り強い防御でペースを握り、接戦を制した。チームの礎を築いた故北島忠治監督の指導の下、多くの名選手を輩出した伝統校も、同氏が亡くなった96年度大会以降は、低迷。就任1年目の田中澄憲監督(43)が再建を担い、平成最後の大会で、王座返り咲きに成功した。

再建を果たした田中監督の指導者としての原点は、選手、スタッフとして過ごしたサントリー時代にある。最も影響を受けたのが、指導を受けたエディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチだ。昨年2月にはイングランド代表を率いる同氏のもとを訪ね、ミーティングにも参加。「学んだのは準備の重要性。この時期はこうと計画通りに進めているから、不測の事態に対応できる」と話す。

また、チームの採用担当時代は各大学を訪問し、気付きがあった。「空気でチーム力は分かる。帝京大の学生が素晴らしいのは、主体的に動けてポジティブなこと。そういうチームにしないといけないなと思った」と振り返る。監督という大役に、迷った時は、サントリーの精神「やってみなはれ」を自らに言い聞かせた。「自分が決めたことだから、やりきる」。選手から「キヨノリさん」と慕われる43歳が、母校を頂点に導いた。【奥山将志】